食・農クラウド「Akisai」は、農業生産者や関連団体向けクラウドとして富士通が2012年に提供を開始したもの。従来は勘や経験に頼ってきた農業経営にICT技術を導入することで、農作物の品質向上や生産性の向上、コスト削減に貢献してきた。
今回の実証実験では、2015年から2016年までの1年間、「Akisai」をベトナムで試行する。具体的には、ITを活用した温室をハノイ市に建設し、農作物の施設栽培を行う。施設栽培を行う温室は、政府機関や農業分野に関心を持つ現地の関連企業に農業技術を紹介するショールームの役割も果たすことになる。同実験において、富士通はこれまで「Akisai」で培ってきたノウハウを提供し、FPTはICTを活用した農業技術の普及と発展をベトナムで促進していく計画だ。
富士通とFPTは今回の実証実験を通じて、ベトナムが世界の主要農業生産拠点になることを目指す。また、富士通のICTを活用した農業技術をグローバルに普及させると共に、ベトナムでの農業技術の発達と農業分野の更なる発展に貢献していく方針だ。
なお、「Akisai」は「豊かな食の未来へICTで貢献」をコンセプトに、生産現場におけるICT活用を起点に流通・地域・消費者をバリューチェーンで結ぶサービスを展開。露地栽培や施設栽培、畜産をカバーし、生産から経営・販売までの企業的な農業経営を支援するクラウドサービスとなっている。