ADBベトナムのエリック・シジウィック所長は、2016年上半期における中部高原地方とメコンデルタ地方の干ばつや世界的な商品価格の低迷が、ベトナムの経済成長の足を引っ張ったとの見方を示した。ただ、製造業とサービス業は大幅に成長し、銀行の貸出残高や外国人訪問客数も大きく伸びている。
下半期は、海外直接投資(FDI)と輸出の増加や信用の伸びによる成長が期待できるほか、農業の回復やインフラ整備案件の実施が成長に寄与するとみられている。
上半期の貿易収支は、GDPの8.2%に相当する額の黒字となり、前年に比べ状況が大きく改善した。シジウィック所長は「貿易黒字は今後も続くと期待できるものの、基幹産業の更なる衰退や中国経済の予想外の減速などによって影響を受ける恐れがある」との見解を示した。