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[市場概況]
アジア通貨危機から10年(2)

[2007/07/08 11:30 JST更新]

 前出5カ国(タイ、インドネシア、マレーシア、韓国とフィリピン)のここ数年の平均成長率は年間4~7%であり、他の発展途上国の成長率より高い。しかし、アジアのスリースターと言われている中国、インド及びベトナムの9~11%の平均成長率と比べれば、まだ低いと言えるだろう。この3カ国高成長の理由は政治体制の安定と海外資本を多く吸収できているためだろう。
 投資指標の一つであるセメント年間平均消費量をみると、現在、ベトナムはタイを上回っている。また中国は世界第1位の鉄鋼製造国になっている。一方、インドはソフトウェア開発と他のアウトソーシング分野について世界第1位を獲得している。
 アジア通貨危機を巡っては、アジア地域の多くの国が、国際通貨基金(IMF)のアドバイスに基づいて海外投資家を引き付けるために、金融市場を開放しすぎたからだろうかという議論が起こった。1997年に、ヘッジファンド、投資銀行、多国籍企業と国内企業は、利益を確保するため、あるいはドルで負債を返済するために、こぞって国内通貨を売りドルを購入した。結果は、国内通貨の価値が大幅下落したことで、各企業はドル建負債の返済に更に巻き込まれることになった。その際、アメリカとヨーロッパの金融界に対して非難が巻き起こった。
 しかし、最近の経済分析レポートによると、アジアの通貨危機に対するヘッジファンドと投資銀行の責任は、国内企業、Dellなどの大手企業やT. Rowe Price New Asia Fundが赤字の危機を抑えるために突然国内通貨を大量に売却し、ドルを蓄えることによって発生する責任よりも大きくはないという。
 マレーシアでは海外に流れる資金を制限するいくつかの方法を採用することによって、アジア地域の他国より状況を良く抑制できた。この成功は各国が市場をできる限り開放した方が良いという見方に対する疑問を投げかけた。
 中国、インドとベトナムは、アジア通貨危機が発生するかなり前から、外資の短期流出入に対する厳しい制限を行っている。この3カ国は通貨危機の影響を上手く抑制することができた。現在、外資流出入の監査手法の緩和に関しては、アメリカやヨーロッパの金融、ビジネスパートナーを苛立たせるほど遅いスピードで進められている。インドの経済産業省の大臣であるKamal Nath氏は、我々は万が一危機が発生しても、状況をコントロールできるような保護システム確立に向けて集中して取り組んでいる、と語った。

 ここ最近で、流出入する資本の異常な変動から最も大きな影響を受けた国は、またしてもタイである。去年の12月、株式投資と債券投資の目的で投入された資本が、バーツの価値を上昇させ、輸出品の競争力を減少させる危機があった。この状況に対応するため、タイの政府は短期投資を行う外資に課税するという政策を採用した。その直後に、タイの証券市場が1日で15%下落したので、政府は証券投資を制限する政策を中止せざるを得なかったのだ。
 しかし、最近の数ヶ月間にあまり注目されない形で、タイ政府は定期的に決済を行う証券を購入するために、大きな資本を投入する海外投資家に対する制限を維持するための一連の調整を行った。
 上記の5カ国では、金融不安が残っているばかりでなく、他の不安も顔をのぞかせる。それはこれらの国から中国への輸出が増加しているとはいえ、依然アメリカの消費に依存しているということだ。以前は、多くのアジア諸国はアメリカへ電子製品と他の製品を直接輸出していた。現在では中国に部品が輸出され、その部品が中国で組立てられてから、製品としてアメリカへ輸出されるという具合に製造流通の流れが変わってきているだけなのである。
 ニューヨーク連邦準備銀行総裁であるTimothy Geithner氏は、アジアは他地域の発展に依存した形ではなく、アジア内部の強みにより大きく依存した未来を準備していく必要がある、と指摘している。

(終)

[Vnexpress 6/30]


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