VIET-KABU - ベトナム株情報
印刷する | ウィンドウを閉じる

[ホーチミン証取]
FPT銘柄に何が起こっているのか?

[2007/07/19 21:28 JST更新]

 7月13日はFPT銘柄にとって歴史的な日となった。その日海外投資家が市場取引を通して 100万株以上の大量のFPT株を売却したのだ。これまでFPT銘柄の取引では、海外投資家がそれほど大量に売却したということはなかった。売買代金は 3,130億ドン(約23億円)に達し、市場全体の市場取引の売買代金の50%弱を占めた。翌営業日(7月16日)、海外投資家はFPT株を更に売却し 株価も続落、終値が29万ドン/株となった。ホーチミン市にある大手証券会社の副社長は、この海外投資家のFPT株売却動向に際して、これはメリルリンチレポートの影響であり、ひとまずFPT株を売却し、その後安値で買戻すか、若しくは他のチャンスを探すのではないかと語った。
 ベトナムのあるファンド運用会社の社長は、FPTが多くの事業分野に進出し、本来の強みである通信とIT分野からは力が殺がれるので、海外投資家はFPT株を売却したのではないかとコメントした。更に同氏は、「もしある企業が活動分野を変更したとすれば、新分野ではすぐに自社の優位性を示せず、そのため投資家がその企業の株を売却するということは原則的なことでしょう。以前のリー冷蔵電気社[銘柄コード:REE]が、その一つの例です。不動産分野への進出を表明してから、投資家にREE株が再評価されて株価が回復するまで、一定の時間が必要だったわけで、その間REEの株価が好調に推移したことはありませんでした。」と言った。
 一方、アメリカで証券について長い間研究したハノイのある証券会社社長は、「FPT銘柄の外国人保有率はまだ低いにも関わらず、海外投資家が購入ではなく売却したことに注目しています。ビナミルク[銘柄コード:VNM]、総合フォワーディング[銘柄コード:GMD]、REEなどのブルーチップ銘柄は買い足されるケースの方が多いのです。また、世界大手といわれる企業の経験で言えば、一定の分野に集中することで成功するということがいえるでしょう。トヨタと言ったら車、Microsoftと言ったらソフトウェア、そしてインテルと言ったらチップを思い出しますが、それではFPTは?というと、通信や ITに集中せずに、教育、証券、不動産などの分野にも進出しているので、FPTと言っても何だかわからなくなってしまう。多分これが海外投資家を心配にする理由でしょう。」と指摘した。
 偶然にも同時に起きたこととして、FPTがFPT証券会社の設立認可を取得したその日に、海外投資家がFPT株を大量に売却したのだ。しかし、海外投資家とは反対に、国内投資家は13日にFPT株を喜んで購入している。
 青年新聞の記者に対して、FPTのある執行役員兼取締役はあまりうれしそうではない表情を浮かべてこう語った。「我々は株主に多くの利益を生み出していると思います。株価は市場の需給によって決定されるので、調整はできませんが。」一方で、FPTの2007年上半期の利益が、約3,000万ドル(約36億円)に達するという噂を彼は否定しなかったが、「FPTの上半期業績は計画をかなり上回っていますが、私が情報を公開すれば違法となるので正式に情報を公開することはできません。正式な情報は今週末若しくは来週に発表されるでしょう。」と告げた。青年新聞の別の情報源によれば、FPT株を大量に売却した海外投資家は FPTの戦略的パートナーであるという。
 あるファンドの上級管理職は、FPTが主要事業を離れて他分野に進出しているので、FPT株式保有率を減少させる予定があったと語った。しかし、FPTが2007年上半期で大きな利益を出したという情報を聞いてから、彼はもし FPTの上半期の利益が3,000万ドルに達したという情報が正しければ、FPTの主要分野の経営がまだ健全であるということであり、FPT株の売却は停止するとコメントした。
 前出のハノイの社長は、現在の市場では海外投資家を初め潜在力(財務力)がある投資家が投資するための魅力なチャンスが広がっており、FPT株のみでなく、他の株も彼らが大きな利益を上げるためのチャンスをもたらしていると語った。

[青年新聞 7月17日]


印刷する | ウィンドウを閉じる

◆ 免責事項

© Viet-kabu.com 2002-2025 All Rights Reserved.