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[市場概況]
銀行銘柄:合理的な買い時(2)
[2007/09/18 19:28 JST更新]
5) 大手銀行数行の分析
ここで取り上げる銀行は、外商銀行(ベトコムバンク-VCB)、投資開発銀行(BIDV)、農業農村開発銀行(アグリバンク-VBA)、ACB、STB、ベトナム輸出入銀行(EIB)とテクコムバンク(TCB)である。これらの銀行の財務データを銀行業界の平均指数との比較のために使用してみる。
※総資産利益率(ROA):銀行業界の2004年~2006年の平均ROAは1%である。この指数は0.3%(VBA)~1.7%(STBとTCB)の間で変動している。また2006年度平均ROAは大きく増加し、1.3%に達した。ROAの増加は管理の効率が向上することを表している。国営銀行のうち、VCBのROAが最も高い。一方商業株式銀行のうち、STBとTCBのROAは他をリードしている。Standard and Poor’sによると、アメリカの銀行のROAは0.6%~1.5%の間で変動している。
※株主資本利益率(ROE):銀行業の2004年~2006年の平均ROEは14%弱に達した。国営銀行のうち、VCBのROEが最も高い(19%)。一方商業株式銀行のうち、ACB(28%)とTCB(20%)が他をリードしている。銀行業の2006年度平均ROEは19%に達した(2005年は17%)。ROEが高いということは銀行の経営効果の高さを表していると言えるが、同時にベトナムの銀行の資本金がまだ小さいということも意味している。
※預金貸付率(Loan/Deposit ratio - LDR):):銀行業の2004年~2006年の平均LDRは84%に達した。もしLDRが高すぎれば(VBA:135%)、銀行は信用管理に慎重さが欠けており、リスクが高く、調達資金を大量に貸付に回しているということだ。逆に、LDRが低すぎれば(ACB:43%)、おそらく銀行は預金を有効に運用していないということになる。
※不良債権:総貸付不良債権率は信用機関の信用状態を表す。注意すべきことは、ベトナム会計基準(VAS)に適合した貸付分類(と信用リスク積立金)は、国際財務報告基準とは異なっているということだ。
※商業株式銀行のPER比較:VNインデックスはピーク(2007年3月時点)から900ポイント(2007年8月末時点)まで24%下落した。株価は合理的なレベルの付近まで調整された。上場しているSTB(ホーチミン証取)とACB(ハノイ証取)の直近4四半期(2007年6月30日まで)のEPSに基づくPER(PER trailing)はそれぞれ14.4と14である。STBとACBの2007年度予想PER(PER forward)はそれぞれ15.2と16.1である。TCBとEIBの2007年度予想PERはそれぞれ32.6と31.1であり、上場2銘柄よりかなり高い。
6) 結論
※現在、人口の約7%だけが銀行で口座を開設し、預金サービスを利用している。ベトナムの銀行業はまだスタート段階に立ったばかりで、今後大きく発展する潜在性があると言える。
※集中度が高く、一部の大手銀行(主に国営銀行)は市場の大きなシェアを占めている。しかし、各銀行の売上高は主に信用活動(リスク管理についての高い能力が必要)から生み出されており、他のサービスから生み出される売上がまだ少ない。
※改善されてはいるものの、不良債権はまだベトナム銀行(特に国営銀行)の問題となっている。これは効果のないリスク管理・信用品質評価システムから生じた問題である。銀行の活動を分析する際、貸付分類と信用リスク積立金は注目すべき項目である。
※銀行市場を開放すれば、銀行サービス市場の競争が激化し、合併と買収(M&A)が起きる可能性もある。顧客への便利なサービス供給を行うことは競争における重要な要素になる。国内銀行の強みは取引代理店システムが既にあり、市場の状況を多少把握しているということだ。
※TCBとEIBは徐々に成長し銀行市場での優勢を築いている。一方、ACBとSTBはある程度の優勢を築き上げた銀行であり、また現在の株価は購買するのに合理的なレベルと言えるだろう。
*この記事はEPS証券分析部の執筆によります。
(終)
[DTCK 9/13]
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