VIET-KABU - ベトナム株情報
印刷する | ウィンドウを閉じる

[市場概況]
外国人保有枠の拡大より優良銘柄の供給を増やした方が良い(1)

[2007/09/24 21:27 JST更新]

 現在、外国人保有枠の拡大について様々な意見があるようだ。以下、外国人保有枠(ルーム)の拡大についての異なる4つの見解を示してみたい。

 1つ目の見解は、現在外国人投資家のルームはまだたくさん空いているということである。9月14日時点で外国人投資家は上場株式総数の23%を占めている(87兆ドンの時価総額に相当)。上場株205銘柄のうち、外国人投資家のルームが一杯になった銘柄は18銘柄あり、銀行業のアジア商業銀行(銘柄コード:ACB)とサイゴン商信銀行(銘柄コード:STB)、水産業のベンチェ水産(銘柄コード:ABT)とアンザン水産(銘柄コード:AGF)、不動産業のリー冷蔵電気(銘柄コード:REE)とトゥドゥック住宅開発(銘柄コード:TDH)、インフラ建設業のホーチミン市インフラ投資社(銘柄コード:CII)とチャウトイ・コンクリート(銘柄コード:BT6)、食品・飲料産業のチベコ飲料(銘柄コード:TRI)と国際食品(銘柄コード:IFS)等、最良と評価されている銘柄が含まれている。一方、ルームが10%以上空いている銘柄は180銘柄、ルームが40%以上空いている銘柄も128銘柄ある。ルームが10%以上空いている銘柄に対して、外国人投資家の毎日の売買高は非常に少ない。つまり、外国人投資家はルームの拡大を希望しているが、全ての銘柄のルームではなく、優良銘柄のルームのみを希望していることになる。このコメントが正しいことは、過去の事実が証明している(2005年9月にルームが30%から49%へ引き上げられたが、外国人投資家は全ての銘柄に関心を持ったわけではなかった)。

 2つ目は、ルームを拡大しても、海外間接投資(FII)の影響は海外直接投資(FDI)の影響と違うため、企業の管理能力を向上させるという目標は達成しづらいということ。FIIの影響度は外国人保有率によって異なる。しかし、その比率が50%以上であっても、殆どが個人投資家に保有されていれば、企業の経営管理への影響は少ないと言える。また、1組の投資家が資本の50%以上を保有したくても、市場で購入することはできない(現在の規定では、最大の保有率は10%までである)。もし外国人投資家の保有率が10%以下であれば、企業の経営活動への影響も小さい。よって、ルームを50%以上に拡大しても期待する効果を獲得することができないだろう。

 そのうえ、FIIはFDIとは違ってデメリットがある。投入されたFDI資本はFIIのように簡単に回収されることはない。投資期間が終わった時にFDI資本は再投資されるか、或いは回収されるが、ベトナムには無形資産と有形資産という形で価値が残る。一方、FIIは1997年に起きたアジアの金融危機のように海外投資家が短期間に株を大量に投げ売れば、悲惨な結果がもたらされることになる。

 つまり、リスクを予防するため、一定の計画に従いルーム拡大を実施する必要があるということだろう。FII資本の特殊性はFDI資本とは異なるため、政府は全ての産業のルームを同様の比率で拡大するのではなく、産業別のルーム拡大を考慮することが必要だろう。

(2)に続く

※この記事はタンベト証券(Cong ty Chung khoan Tan Viet)の研究部長によって書かれています。

[VNeconomy 9/21]


印刷する | ウィンドウを閉じる

◆ 免責事項

© Viet-kabu.com 2002-2025 All Rights Reserved.