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[市場概況]
上場初日の取引基準株価をどのように確定するか?(2)

[2007/11/29 19:32 JST更新]

 2007年10月4日以降カントー農業技術資材(銘柄コード:TSC)、タインコン縫製(銘柄コード:TCM)と第5建設(銘柄コード:SC5)という新規上場銘柄が上場したが、直後から急騰した。ペトロベトナム化学肥料(銘柄コード:DPM)製品の一次取次店であるTSCは、上場初日に4万8,000ドン/株(取引基準価格の+20%)をつけた後、17営業日続伸し、その後僅か1営業日のみ調整したが、再び4営業日続伸し、ついに11万6,000ドン/株となった。つまり、僅か1ヶ月間取引を行っただけで、 TSCの株価は上場初日の取引基準価格の3倍弱に上昇したのである。特筆すべきは、この急騰が、VNインデックスが下落し、株価が全般に調整されている中で起きた、ということである。

 これと同様だったのがTCMで、やはり株価が17営業日続伸し、11万1,000ドン/株の高値に達した(上場初日の取引基準価格の2.47倍)。またSC5の株価は7営業日続伸し、25万5,000ドン/株の高値をつけた(上場初日の取引基準価格から59.4%増)。

 もちろんこうした背景には、投資ファンドが大きな買いを入れたことや、好材料がちょうど出されたなどの要因もあったが、多くの投資家は、今は新規上場銘柄の季節だ、上場直後から株価は上昇する、ということを見出し、盲目的に同調した。

 そのため、OTC市場では上場準備銘柄を探すことがブームとなり、こうした銘柄の上場日に関する正式な情報が流れると、株価もすぐに急騰した。上記3銘柄の後に上場した銘柄(サイゴン証券(銘柄コード:SSI)、ホアファット(銘柄コード: HPG)、第1ハティエンセメント(銘柄コード:HT1))及び多くの上場準備銘柄が、こうしたブームの影響を受けた。しかし、実際には上場後に、思惑とは裏腹にこれらの銘柄の株価は下落した。

 これについては、OTC市場で取得した投資家は利益を現実化した(短期間に50%の利益をあげることも!)ためだとか、若しくは流通株式数が多すぎた(DPM、SSIとHPG)ため、これらの株価が下落した、とコメントする人もいる。

 しかし、我々は、それ以前の新規上場銘柄の株価変動(急騰或いは急落)は、上場企業の上場初日の取引基準価格の確定の仕方に問題があったのではないか、と見ている。現在、不動産や証券等の注目分野や、ブランド力のある有名会社に対する投資家の期待はかなり大きくなっている。この期待がPERをかなり高く押し上げている。現在市場全体の単純平均PERは25、加重平均PERは32に達している。

 そのため、他社のPERと比較することによって上場初日の取引基準価格を確定することにはリスクがある。他社のPERは既に市場全体若しくはその産業の平均PERより高くなっていることも多い。新規上場銘柄やホーチミン証取の殆どの上場企業では第3四半期の好業績を発表したが、他の要素を考えず単にPERのみに基づき基準価格を決定することは、結局その企業の株主或いは市場全体へ多くのリスクをもたらす要因となる。

(終)

*関連情報:上場初日の取引基準株価をどのように確定するか?(1)

[Thach Lan, Chung khoan, Vneconomy, 26/11/2007 02:17]


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