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[市場概況]
証券市場から退出する理由はない(3)

[2008/02/20 20:05 JST更新]

~(2)より

国家証券委員会のホーチミン市駐在代表責任者ホアン氏) 経済が衰退兆候から脱し、世界的な金融危機が回避された時に、金価格は下落するでしょう。市場体制が整っている国では、インフレや不況を克服することは難しすぎる問題ではありません。マクロ経済を効果的に調節する体制や手段、経験があるのです。しかし、ベトナムの体制は、まだ初期段階のものであり、統一的に行えないことで問題が深刻化しています。

 インフレは行政の指示だけで解決できるものではありません。国家金融システムのバルブとなる調節手段を確立し、柔軟に使用していく必要があります。

記者) そうした手段について簡単に説明して頂けますか?

ホアン氏) 世界で一般的に使用されている3つの手段が、預金準備率、政策金利の調節、そして公開市場操作です。このうち、政策金利の調節と公開市場操作は最も効果的な2つの手段と言えるでしょう。

 こうした制度を確立するために、国家中央銀行は特別な短期証券を発行します。これは預金準備金の一部として機能します。例えば、預金準備率が10%であれば、このうち証券での準備金は、約4~5%を占めます。商業銀行は決済用の資本を調達するために、この証券を売買することが出来るのです。ある商業銀行で、ある日の収入が支出より低く、資本が足りなくなった時には、証券の一部を売却し資金を調達します。逆に、収入が支出を上回り資金が余れば、証券を購入し利益を稼ぐ、といった具合にです。銀行間の通貨市場は、商業銀行が国家中央銀行の証券を売買する所だと言えます。経済システムの短期資本を調整しているわけです。こうした市場機能そのものはベトナムにも既にありますが、取引するものがまだ準備されていない、ということです。中銀ももちろんこの市場の取引メンバーです。中銀はデフレや不況、そして高い失業などを解決するために、証券を購入し市中へ資金を供給したりすることになります。インフレ抑制のためには、中銀は証券を売却し、流通市場から資金を吸収するわけです。

記者) 現在、多くの人はFRB(米連邦準備理事会)が良く使用している金融調整手段である割引金利(政策金利の1つ)について、あまりよく理解できていません。この問題について説明をお願いできますか?

ホアン氏) 仮の話しをしますと、中銀が預金準備率を10%と決めるとします。市場で、ある銀行の貸付金額が大きくなると、預金準備率を下回ることになります。それを避けるために、銀行は更に資金を調達する必要がありますが、そのために中銀に対してある一定の金額を支払うことになります。預金準備率を下回った額に対する、中銀への支払額の比率を割引金利と呼んでいます。

 国家中央銀行が割引金利を引下げるということは、中銀は商業銀行が貸付を拡大し、生産能力を高め、不況や失業を解消すること(金融緩和政策)を奨励するという意味です。逆に、中銀が流通市場での資金を制限し、インフレや流動性の過剰を抑制したい場合には、割引金利を引上げることになります(金融引締め策)。これはマクロ経済を調節する最も効果的な手段ですが、残念ながらベトナムにはまだないのです。

(終)

*関連ニュース:
証券市場から退出する理由はない(1)
証券市場から退出する理由はない(2)

[Su kien binh luan, Dau tu chung khoan, 15/2/2008]


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