VIET-KABU - ベトナム株情報
印刷する | ウィンドウを閉じる

[ホーチミン証取]
TDH、不動産へパワーを集中(1)

[2008/04/21 21:27 JST更新]

 不動産市場はインフレ抑制を目的とする金融引締め策から大きな影響を受けているが、実需がある市場で投資に集中している企業には依然良いチャンスが続いている。トゥ・ドゥック住宅開発(銘柄コード:TDH)の2008年度開発計画、及び2015年までの開発戦略によれば、TDHは中流の住宅市場での住宅供給に重点を置くとしている。

 2007年には、不動産市場はかなり活発になっていた。そのため、住宅販売サービスによる売上高は、TDHの総売上高の71%を占めた。監査済みの2007年度業績によると、TDHの税引前利益は1,870億ドンで2006年比103%上昇し、税引後利益は1,630億ドンとなり、同年計画を66%上回った。

※TDHの幾つかの財務指数(監査済み)
 
売上高利益率       57.6%(2006)/87.27%(2007)    
総資産利益率(ROA)    10.79%(2006)/16.85%(2007)
株主資本利益率(ROE)   14.97%(2006)/21.77%(2007)

 また、2007年にTDHは、2007~2008年の重点事業を展開するため、資本金を1,700億ドンから2,300億ドン(約14億7,500万円)へ増資を成功させた。ビンチィウ新都市区、TDH-チュオン・トーアパート事業、ヒェップフー・アパート事業がそれである(それぞれホーチミン市第2区、第9区とトゥドゥック区で展開)。この3事業は、第9区のハイテク団地に、そしてホーチミン市中心からスオイティンまで繋がる地下鉄線に、又、ドンナイ省のロンタイン国際空港道路にそれぞれ近い、というロケーションにあることから、TDHへ大きな利益をもたらすと評価されている。

 現在、不動産市場は国家中央銀行が不動産投資貸付を引き締める一方、インフレが進行し、セメントや鉄鋼等の建設資材の価格が30~40%上昇している等の多くの困難に直面している。また、高級住宅市場が不振となり、流通市場で取引される価格が30~40%下落している。

 しかし、こうしたことと平行して、政府が新しい試みという意味で行っている積極的な対策もある。市民が都市で住宅を買う時には、居住証明書を不要とする、海外居留のベトナム人もベトナムで住宅を買えるようにする、外国人がベトナムで住宅を買えるようにする、不動産譲渡に対する累進課税をまだ適用しない、貸付金利を 11%以下とする、などがそれである。

 Savills不動産コンサルティングのレポートでは、2008年には中高級住宅約2,800戸が完成するが、2010年までに市場で出る住宅は、全体で僅かに約1万5,000戸に過ぎないと見ている。一方、2010年にはホーチミン市の人口は670万~780万人に達する見込みである。

(2)に続く

[Hai Minh, Dien dan chung khoan, Dau tu chung khoan 7/4/2008]


印刷する | ウィンドウを閉じる

◆ 免責事項

© Viet-kabu.com 2002-2025 All Rights Reserved.