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[マクロ経済]
2015年のベトナム経済を振り返る
[2015/12/30 19:28 JST更新]
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1.国内総生産(GDP)成長率+6.68%
2015年のGDP成長率は+6.68%(推定値)で、国会目標値6.2%を上回り、過去5年の最高水準を記録した。
2.環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉が大筋合意
TPP交渉が10月5日、大筋合意に達した。TPP発効により、ベトナムは参加12か国の中で最も大きな恩恵を受けると期待されている。
3.ビジネス環境ランキングで189か国・地域中90位
世界銀行(WB)と国際金融公社(IFC)の最新のビジネス環境ランキングで、ベトナムは調査対象国の189か国・地域中90位となり、前年から3ランク上昇した。
4.ガソリン価格12回引き下げ
国際市場における原油価格の下落を受け、ガソリン価格が年初から12月18日までに12回引き下げられた。
5.原油による国の歳入減少
原油価格の下落を受け、原油による国の歳入も大きく減少した。
6.通貨切り下げと変動幅拡大同時実施
中央銀行は8月19日、2015年3回目となる対USD銀行間為替レート(中銀公定レート)の切り下げを実施した。これにより、公定レートは年初から合計で▲3.0%切り下げられ、1USD=2万1890VNDとなった。
また、中銀は、公定レートの許容変動幅を8月12日に±1.0%から±2.0%へ、8月19日に±2.0%から±3.0%へと拡大した。
7.政府が企業10社からの出資全額回収を指導
政府は10月、国家資本投資経営総公社(SCIC)に対し、◇ビナミルク[VNM](Vinamilk)、◇FPT情報通信[FPT](FPT Holdings)、◇FPTテレコム(FPT Telecom)、◇ビンミン・プラスチック[BMP](Binh Minh Plastics)、◇ベトナム国家再保険[VNR](Vietnam National Reinsurance)、◇ティエンフォン・プラスチック[NTP](Tien Phong Plastic)、◇バオミン保険株式公社[BMI](Bao Minh Insurance)、◇ハザン鉱産機械[HGM](Ha Giang Mineral & Mechanics)、◇サザン食品[SGC](Sa Giang Import Export)、◇ベトナム不動産インフラ(VIID)の企業10社からの出資を全額回収するよう指導した。
SCICの出資回収により浮動株式数が急増し、これに加えて海外投資家保有比率上限が緩和されれば、海外投資家の株式取得チャンスが一気に拡大すると見込まれている。
8.自動車産業が衰退
国が加盟する国際約束に従って輸入関税率を引き下げなければならない期限が迫る中、自動車産業を発展させるための対策がまとまっておらず、国内自動車産業が衰退に直面している。
9.中銀が民間商業銀行3行を国有化
中銀は、2月、4月、7月にそれぞれベトナム建設銀行(Vietnam Construction Bank=VNCB)、オーシャンバンク(Ocean Bank)、GPバンク(GP Bank)の民間商業銀行3行の全株式を1株0VNDで強制的に買収し、国有化した。複数のファイナンス会社を商業銀行傘下の子会社に再編させ、金融業界にメスを入れている。
10.農産物の価格下落
スイカや赤玉ねぎ、バナナなど、多くの農産物の価格が下落している。小規模農家がほとんどで、市場関係者が効率的に連携し合える仕組みがなかなか構築されていないのが現状だ。
[Vietnamnet, 01:00 (GMT+7) 23/12/2015]
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