2008年第1四半期に銀行業界は大幅な変動に見舞われた。悪影響は商業銀行の利益目標にまで及んだ。
国家中央銀行は、急激なインフレ上昇に伴い、法定準備率や政策金利の引き上げ、大量の短期国債発行等、インフレ抑制策を強化した。そのため、銀行の資金調達費用にも影響が及んだ。市場金利はかつてない程変動した。
その一方で、外国為替も大きく変動、外貨が過剰に余剰した。年初には外国為替業務は困難な状況に陥った。証券市場は減退し、銀行の資産運用活動も厳しいものになった。
こうしたことから、一部では銀行の減益が予測されるようになり、銀行の黄金時代は終り、再び不況の時代へ突入するという見方も現れた。
しかし実際はそれに反して、いくつかの銀行から良好な業績が発表されている。
サコムバンク[銘柄コード:STB]の2008年第1四半期利益は、4,350億ドン(約27億7,000万円・前年比44%増)、総資産は75兆2,050億ドン(約4,790億1,300万円・前年比135%増)を達成した。この業績は同行が立てた年間利益2兆ドン(約127億3900万円)と比較すると、低調な数字と言えるだろう。しかし、通常は第2四半期から業績が良化することを考えておく必要がある。
一方、アジア株式商業銀行[銘柄コード:ACB]も好業績を上げている。第1四半期の利益は、5,010億ドン(約31億9100万円・前年同期比約1.2倍)であった。ACBでは、「今回の結果は非常に良好であり、2008年度の利益目標である2兆5000億ドン(約159億2400万円)達成に向けた好材料ででしょう。」とコメントしている。
上記2行に加えて、軍隊銀行(Ngan Hang Quan Doi-MB)も、第1四半期の利益は2,400億ドン(約15億2,900万円)、2008年度計画の31.2%を達成した、と発表した。
またベトナム技術商業株式銀行(Ngan hang Thuong mai Co phan Ky thuong Viet Nam-Techcombank、テクコムバンク)の第1四半期は、税引前利益が2,200億ドン(約14億100万円)となった。同行では2007年度利益の2倍を今年度の目標(およそ1兆5,000億ドン)にしている。
ただし、こうした銀行の利益に対しては、それぞれ違った見方がある。
STBに対しては、資本規模とネットワークが強みが利益に関係していると見られている。「予防戦略や計画を立てて経営を行っているため、(経済悪化の)影響は想定内に収まっています。」更に今後も、技術革新のための投資、商品開発、経営領域の拡大計画に力を注いでいく、と見られている。
一方、ACBは多くの投資家が大きな利益を産むだろうと期待していたのは、金地金事業である。特に、年初2ヶ月の市場は過熱していたからだ。その他、信用分野やリテールサービスの分野での強みは、市場の不安定な動きからは大きな影響を受けないと考えられている。
その他、調達コストが高騰したことが却って増収に繋がったことも見逃せない。特に銀行間レートが高騰したことは、非常に「魅力的な」ビジネスとなった。ただし、一方で、それによって大きな不利を蒙った銀行があるのも事実である。そうした銀行の業績発表はこれからとなる。

