地場調査会社VIRACが発表したベトナムのビール市場と2020年の見通しに関するレポートによると、ベトナムにおける2019年のビールの生産量と消費量はともに2桁成長だったが、今年は飲酒運転の処罰を強化するアルコール被害防止法(2020年1月1日施行)や新型コロナ禍の影響により、消費量の伸び悩みが懸念されている。
2019年のビール生産量は前年比+22.9%増の50億L、消費量は同+29.1%増の40億L、販売額は同+0.5%増の650億VND(約3億0400万円)だった。消費量のうち、缶ビールが66.8%、瓶ビールが29.9%を占めた。
同年のビール輸入量は同+8.9%増の3700万Lで、主要な輸入先はオランダ(輸入量全体の25%)、メキシコ(同17%)、ベルギー(同16%)など。輸出量は4600万L、輸出額は4587万USD(約49億5000万円)で、このうちギニア向けが全体の20%を占め最大だった。
今年のビール業界は過去数年間のように2桁成長を達成する可能性は低く、年平均伸び率は+6~7%にとどまると見込まれる。
しかし、人口に占める若年層の割合が高いことに加え、1人当たりの平均年収が増えていること、締結済みの自由貿易協定(FTA)により輸出見通しが明るいことを背景に、ベトナムのビール市場のポテンシャルは依然として大きいと評価されている。