チェコ系消費者金融会社ホームクレジット(Home Credit)はこのほど、タイのサイアム商業銀行(SCB)を引受先とするホームクレジット・ベトナム(Home Credit Vietnam)の株式完全売却に関する枠組み合意を発表した。

　売却総額は約8億EUR(約1300億円)の見込み。取引はベトナムとタイの関連当局の承認を得た後、2025年1～6月期に完了する予定。

　SCBはタイの民間金融大手であるSCBXの傘下で、タイ国内4位の総資産を誇る大手銀行として知られている。

　ホームクレジット・ベトナムは2008年の設立で、バイク購入ローン、家電・電子機器購入ローン、現金ローンの3商品を中心に事業を展開している。現在、店舗数は9000店舗となり、1500万人以上の大規模な顧客ベースを確保している。ベトナム国内の消費者金融市場で2位のシェア約14％を握っている。

　ホームクレジット・ベトナムは、2022年9月に資本金を5500億VND(約33億円)から3.7倍の2兆0500億VND(約124億円)に引き上げている。

　2022年の税引後利益は前年比2倍の1兆1890億VND(約72億円)へと急増したが、2023年1～6月期は2110億VND(約12億8000万円)に落ち込んだ。同年6月末時点の総資産は約24兆VND(約1450億円)となっている。