2025年の電子商取引(eコマース=EC)市場は、売上高と取り扱い数量の両面で大幅な成長を達成した一方、出店者数は大きく減少し、市場の再編が鮮明となった。
ECデータを手掛けるメトリック(Metric)が発表した最新レポートによると、ECサイト上位4社の売上高(Net Merchandise Value=純商品価値)合計は前年比+34.8%増の約429兆7000億VND(約2兆6000億円)に増加し、販売商品数も同+15.2%増の約39億4160万点となった。
ECサイト上位4社は、◇ショッピー(Shopee)、◇ティックトックショップ(TikTok Shop)、◇ラザダ(Lazada)、◇ティキ(Tiki)となっている。
一方、出店者数は大きく減少した。2025年に活動が確認されたショップ数は約60万1800店で、前年比▲7.4%減となった。競争の激化に加え、運営コストの上昇や販売体制の高度化が進む中、経営体力の乏しい事業者が市場から撤退し、専門性や規模を持つ事業者への集約が進んだとみられる。
プラットフォーム別の市場構造を見ると、ショッピーとティックトックショップによる二極化が一段と進んだ。ショッピーは売上シェア56%で首位を維持したものの、2024年の64%からは低下し、成長ペースに鈍化がみられた。
一方、ティックトックショップは動画配信と購買を組み合わせた販売モデルを武器に急成長し、売上シェアは29%から約41%へと大きく拡大した。ラザダとティキの合計シェアは約3%にとどまり、EC市場は事実上の2強体制となっている。
ショッピーの国内売上データ分析によると、物流インフラの立地にも変化がみられる。ホーチミン市とハノイ市は依然として国内売上の約4割ずつを占める中核市場だが、周辺地域の成長が際立った。
南部では旧ビンズオン省が売上高3兆8100億VND(約230億円)で前年比2.2倍となり、旧ロンアン省も1兆7890億VND(約108億円)で同+63.4%増加した。北部ではフンイエン省が同+39.4%増、バクニン省が同+11%増となった。企業がコストの最適化を目的に、物流拠点を衛星地域へと分散させる動きが進んでいる。
商品カテゴリー別では、美容関連の売上高が同+29.5%増の約74兆4000億VND(約4500億円)で最大となった。生活用品が同+34.6%増の56兆6000億VND(約3400億円)、婦人服が同+39.5%増の54兆5000億VND(約3300億円)と続いた。成長率では子供服が+80.5%増と最も高く、文房具やヘルスケア商品も大きく伸びた。一方、紳士靴は売上が微減した。
価格帯別では、低価格帯が依然として主流ながら、10万VND(約610円)以上の商品へのシフトも確認された。消費者は支出を抑えつつも、品質を重視する傾向が高まっている。
2025年のEC市場は、出店者数が減少する一方で、市場規模と取引額は拡大するという「成長と淘汰」が同時に進む局面にあった。プラットフォーム間の競争や物流拠点の再配置により、市場構造は大きく塗り替えられている。
こうした再編の流れは2026年も続く可能性が高く、海外企業を含む事業者には、参入戦略や運営体制の見直しが求められそうだ。
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