北部で都市用地へ変更された農業用地の大部分が、土壌の良い土地、2期作に更に畑作も可能な土地である。ザーラム区、ドンアイン区、トゥリエム区、タインチー区等のハノイ郊外、ビンフック省のメリン区、ハタイ省、バックニン省、ハイズォン省、フンイエン省、ハイフォン市、ナムディン省など、多くの省の土地が非農業用地に変更された。
栽培面積(米、野菜、果物の栽培用地と牧畜用地)がかなり減少したため、市場へ供給される農産物・食品も減少し、こうした品目の価格高騰が起きている。こうした点からはインフレへの影響がはっきりと指摘できる。更にハタイ省のコクオアイ区、ホアイドック区等の生産性の高かった地区はゴルフ場やバイオマス旅行区等に様変わりしている。本来、こうした事業は丘陵地帯で行われるべきだろう。こうした間違いは、時間が克服してくれる問題ではないだろう。
一部の資料によれば、2007年だけで、上記の目的で変更された農業用地の面積は1万4,000haを上回っている。これに伴って、数万人が栽培用地を失い、仕事も無くしてしまったのだが、その代わりに大きな現金は手に入れることができた。彼らの消費がインフレへ影響しないとは言えないだろう。
不動産市場が過熱し価格が上昇したために、都市郊外に住んでいた多くの家庭は持っている土地の一部を売却し、その金を使用する。しかし、その土地を買った人が支払った金の一部は銀行からの借入金である。国民が大きな額を消費するということになれば、これまでの分析のようにインフレへの影響は疎外できないだろう。
4) 不動産投資貸付資金を合理的に縮小することが大切
これまでもそして現在も、政府の指導に従って、金融引締め策は実施され、流通市場から資金は国家中央銀行へ吸収されている。しかし、商業銀行から不動産市場へ過剰な資金が流れることを制限するためにも、検査監督機能強化にも力を入れるべきだろう。
中銀は市中から資金を吸収するが、商業銀行が不動産投資へ大きな資金を貸付し続け、一方で資金が足りない生産製造業の企業は商業銀行からの資金を借入れることに苦慮しているとしたら、政府のインフレ抑制策はあまり効果が無いことになる。
金融引締め策を実施する際、不動産へ既に投資された資金を流通から吸収することはできない。商業銀行も、資金が足りなければ、貸付を制限し、貸付金利も高く引上げてしまう。金融引締め策が、インフレ抑制という目標に対しては、あまり効果が期待できないが、生産や経済発展へのマイナスの作用という意味では、はっきりとした影響を指摘できると言えるだろう。
(終)
*関連ニュース:
不動産投資貸付、インフレ発生の要因として(3)