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ベト株ニュース - IPO関連

  
  

株式競売が不調 完全無料ニュース

[2007/08/29 21:01 JST更新]

 最近ハノイ証券取引所とホーチミン証券取引所で行われた株式競売は不調だ。ブルーチップ銘柄の株式競売でさえ売れ残る状態に陥った。何故だろうか?

90%が売れ残り

 8月24日、ベトナム国家再保険(銘柄コード:VNR)は1,258万株の株式競売を行ったが、10組の投資家しか参加せず、応募株式総数が競売株式総数の6%を下回るという寂しい結果となった。最大落札価格は僅か6万100ドン/株だった(最低公募価格は6万ドン/株)。VNRはこの競売式によって数兆ドンを得られると踏んでいたようだが、実際にはおよそ447億ドン(約3億1,750万円)しか調達できなかった。
 これに先立って、10日に行われたソンダ工業団地・都市投資開発会社(銘柄コード:SJS)の600万株の株式競売も投資家26組(個人投資家22名と機関投資家4社)のみが参加、応募株式総数は48万9,600株にしかならなかった(競売株式総数の8.16%)。平均落札価格も最低公募価格より僅か4ドン高いだけに留まった(23万5,004ドン/株)。
 ハノイ証取は郵電建設投資株式会社(銘柄コード:PTC)の株式競売登録結果を22日に発表したが、応募株式総数は競売株式総数の15%しか占めなかった。留意すべきことは、この競売で落札されなかった株式は、農業農村開発銀行証券に最低公募価格(4万5,000ドン/株)で全て引受されるということだ。
 応募株式数を見るだけでも上記の株式競売が平均的に90%売れ残っている(保証金を放棄する投資家を含まず)ということがわかるだろう。多くの証券専門家は、今後の株式競売が同様の状態に陥る可能性があると予想している。

「発行機関が貪欲だから、投資家は動かない.」

 株式競売の売れ行きが悪い状態を評価する際、FPTファンド運用会社のファン・ドゥック・チュン社長は、「株式競売が売れ行きの悪い状態に入っていることの一つの原因は、市場の需要状況のためだが、株を売却できないほど需給のバランスが崩れているということではない。問題は最低公募価格だ。」とコメントしている。チュン氏によると、最低公募価格を合理的なレベルで設定すれば全ての株を売却する可能性が高いという。また、同氏は、もしSJSの最低公募価格を18万ドン/株で設定すれば参加者の数と落札株式総数はかなり多くなっただろうと述べた。
 多くの専門家は、市場の価格と株式競売の最低公募価格との差が20%以下であれば、その最低公募価格のリスクが高すぎるため(競売によっては落札した株が口座に入るまで数ヶ月ほどかかるため)、株式競売に参加する投資家の数が非常に少ないという考えを持っている。
 一方、ハノイのある証券会社の社長は、投資家が最低公募価格の高い株式競売に参加しないのは、「発行機関が貪欲であるとして、投資家が動かないからだ」とコメントしている。

多くの会社がIPO・新株発行の延期を申請している

 株式競売の売れ行きが悪い状態に入っていることの原因は最低公募価格が高いということの他、この数ヶ月続けて市場が軟調に推移しているということもある。
 ある大手銀行の証券会社の会長は「投資家は株式競売へ参加するための資金が足りない。現在規定03号の影響で、彼らは持っている株を担保としして借入れることができない。また、遊休資本だからといってどの会社の競売にも投入できるわけではない。」と別の原因を指摘した。
 多くの投資家はベトナム外商銀行(ベトコムバンク-VCB)、モビフォン、ベトナム投資開発銀行(BIDV)などの大手会社のIPOに参加するチャンスを待っているため、他社の株式競売には参加しない。機関投資家も同様の考えをもっているので、株式競売に対する市場の需要力が更に減少した。
 24日、ハノイ証券取引所はバオミン保険(銘柄コード:BMI)に認可した新株発行の期限を2007年9月27日まで延期することを承認した。同日、国家証券委員会もサイゴン縫製貿易株式会社(銘柄コード:GMC)に認可した新株発行の期限を2007年10月4日まで延期することを承認した。
 これに先立って、OTC市場の有名な2社であるディンクアン電球会社とシンペトロ投資運輸会社は、市場状況が悪化しているため新株発行を変更・延期することを申請する文書を国家証券委員会へ提出している。


  
  
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