2) 客観的といえるのだろうか?
専門家、投資家といった証券市場に関心を持つ人の意見を聞いてみると、短期間にその観点を大きく変更した香港上海銀行(HSBC)のレポートの客観性については少なからず疑問の声があることも分かって来た。
HSBCは世界大手金融・銀行グループであり、国際的な投資家・大手顧客を抱えている。また何より同行自身も世界市場における大口投資家である。しかし、大手金融グループのレポートが公開される場合、たいてい以下のような幾つかの点を指摘することができる。
1つ目は、レポートがどのように評価されるかは知るよしもないが、レポートがその機関の製品であることには違いなく、つまり多かれ少なかれ、レポートによってその機関の威信は保たれるということ。世界経済又はある国の経済、ある国の証券市場についてのレポート、研究、評価、予測等は一般的なことであり常に行われている。
2つ目は、最も重要なのはインプットされる要素やデータだということ。通常これらのレポートは現代的で自動計算できるモデル、計算ツールに基づいて、そうしたデータが入力され、作成されている。
3つ目は、通常、海外金融機関はレポートを公開する時、大手ファンド運用会社の立場に立っていること。彼らは先進国の証券市場と新興国の証券市場を含む世界的な投資ポートフォリオを保持している。ベトナムは小さな新興国市場に過ぎず、ポートフォリオの組入比率があったとして小さいものだろう。それを裏付けるように、実際にはHSBCの最新レポートではベトナムに関する情報は僅か1ページに過ぎなかった。
4つ目は、ベトナムへマクロ経済の視点でアプローチしたとしても、他の先進国ほどには十分に効果的なものにはならないということ。通常、海外金融機関は上から下へという方向で証券市場にアプローチする。つまり、まずマクロ経済の全体及び世界の証券市場に対する同行の位置を確かにし、その次に主要な産業を詳しく分析し、最終的に投資するための具体的な会社を評価するという形をとる。しかし、ベトナム(又はベトナムの証券市場)は世界の経済(証券市場)に本当の意味でリンクしているとはいえない経済(証券市場)である。
(4)に続く
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HSBCのレポートは客観的といえるのだろうか?(2)