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　ベトナム国家銀行(中央銀行)の統計によると、2018年末時点におけるファイナンス会社の数は16社を数えた。商業銀行のファイナンス子会社4社の2018年業績状況を紹介する。 

　4社は、消費者金融市場で最大のシェアを占めるVPバンク[VPB](VPbank)の全額出資子会社で消費者ローンを手掛けるFEクレジット(FE Credit)、HDバンク[HDB](HDBank)子会社のHD・セゾンファイナンス(HD Saison Fiance)、軍隊銀行[MBB](Military Bank)子会社のMクレジット(MCredit)、サイゴンハノイ銀行[SHB](Saigon - Hanoi Commercial Joint Stock Bank)子会社のSHBファイナンス(SHB Finance)。

＜商銀のファイナンス子会社4社の2018年税引前利益＞ 単位：十億VND
 

■FEクレジット■

　FEクレジットは、2018年の税引前利益が4兆1180億VND(約193億円)とトップで、2位のHD・セゾンファイナンスの4.6倍だった。

　2018年末時点の顧客数は1000万人に達し、貸付金残高で市場シェア55％超を握っている。ただし、2018年FEクレジットの成長率は減速しており、連結利益に占める割合は50％超から約44％に低下した。


■HD・セゾンファイナンス■

　HD・セゾンファイナンスは、2018年12月31日時点の資本金が1兆4000億VND(約66億円)、総資産は12兆1410億VND(約570億円)、貸付金残高は10兆6530億VND(約500億円)だった。2018年の税引前利益は前年比+73％増の9兆1990億VND(約430億円)に達した。

　同社は500万人以上の顧客にサービスを提供している。ターゲット顧客は、他行がまだ注目を集めていない顧客や、月収200万～700万VND(約9400～3.3万円)の中低所得者を顧客としている。

　2018年末時点の貸付金残高構成率は、バイク購入向け貸付が42％、現金貸付が32％、家庭内支出向けが24％、その他が2％だった。

　2019年1-3月期業績は2000億VND(約9.4億円)超だった。


■Mクレジット(MCredit)■

　2018年の税引前利益は3200億VND(約15億円)だった。同年末時点の貸付金残高は前年末の3.5倍にあたる5兆4800億VND(約257億円)、不良債権比率は5.93％だった。

　Mクレジットは、資本金8000億VND(約37.6億円)で、うちMBBが50％、新生銀行(東京都中央区)が49％を保有している。


■SHBファイナンス■

　SHBは2016年に、ビナコネックス・ベトテルファイナンス(VVF)を吸収合併し、SHBファイナンスを設立した。SHBファイナンスは資本金1兆VND(約47億円)で、消費者金融事業を手掛けている。

　2018年の税引前利益は111億VND(約5200万円)で、同年末時点の貸付金残高は7090億VND(約33億円)だった。2020年までにファイナンス会社でトップ3入りを目指す。

　商業銀行の子会社であるファイナンス会社は、上記の4社のほか、マリタイムバンク(Maritime Bank＝MSB傘下のFCCOM、東南アジア商業銀行(シーバンク＝SeAbank)傘下の郵便ファイナンス社(Post & Telecommunication Finance＝PTF)の2社がある。