FPTは証券会社へソフトウエアを供給している会社であるが、FPT証券(FPTS)は海外のソフトを選択した。
FPTSのIT部長であるルック・ディン・ビン氏は、これは証券分野の最新IT技術を真っ先に享受するための選択だと語った。以下は経済日報記者とビン氏とのインタビューである。
記者)FPTSはどの会社のソフトを選択しましたか?
ビン氏)我々はCMS社とASIAN CERC社のソフトを選択しました。これはイギリス、オーストラリア、日本、韓国、香港などの先進国の証券市場で長い間使われているソフトです。このソフトはオープン型で設計されており、アップグレードや拡大開発がしやすいので、FPTSはベトナムで新しい商品・サービスを開発することができます。
記者)そのソフトを買う費用は大きくなるのではないですか?
ビン氏)海外のソフトへ投資するということは、ソフトを買うばかりでなく、技術享受される過程が必要となるので、全面的な投資となります。しかし、海外のソフトを輸入すると共に、現在FPTSはFPTのサービスを使用しており、両方のメリットの最大化を目指しています。
実際にFPTはSolomon、Oracle EBSと最近FPTSが買ったソフトなどの海外のソフトを内地化することに成功しました。つまり、FPTはFPTSのシステムインテグレーターとなっています。
その他、FPTSはERP-Oracle EBSソフト、HRM人事管理システム、FIFA-MIS管理報告システムなどの内部ソフトを統一するため、速度が速くセキュリティー性が高く近代的なFPTのネットシステムを使用しています。
記者)どうしてFPTSはFPTのソフトではなく、海外のソフトを選択したのでしょうか?
ビン氏)現在、世界で使われている多くのサービスがベトナムには導入されていません。よってFPTSは証券分野の近代的なサービスを先取りすることにしたのです。そして海外のソフトを導入することで実力を蓄え、国際証券市場に主体的にアプローチするための第一歩としたいと考えています。
記者)証券会社にとって現時点で海外のソフトを導入することは、適切なのでしょうか?
ビン氏)海外のソフトは経験が豊富な国際ベンダによって作成されるというメリットがありますが、ベトナム証券市場の特殊な管理体制に適合させるために修正する必要があると思います。またソフトの優位性は需要や管理者の能力によるということです。簡単に言えば、海外から来た専門家が(搬入と試験操作を終えて)帰国する前に、証券会社(例えばFPTS)では自社タッフ、技術者が、そのソフトをスムーズに使えることを確信しなければなりません。私の個人的な意見ですが、証券会社は海外のソフトを導入以前に、優秀な技術者を採用し、そして経験豊富なパートナーを選択する必要があるのです。
海外のソフトは、先進国の証券市場で長い間使用されているので、空売り、デリバティブなどのベトナムのソフトにはない機能が既に付いています。
ベトナム証券市場が存在しなかった1999~2000年時点で、FSS-FPTはBOSCソフトを作成しました。その後も証券市場の規模はまだ小さかったので、近代的なソフトを注文する証券会社はありませんでした。
記者)現在、証券会社にとって最も有効なソフトは何でしょうか?
ビン氏)証券会社の規模、ターゲットとする顧客と財務能力によって、国内のソフトか海外のソフトかを選択する方が良いでしょう。全般的にいえば、現在国内ソフトは、ベトナム企業(証券会社)の特殊な管理の必要性、またその規模に対しては対応していると思います。しかし、WTOへの加盟をしたことで、国内ソフトも国際的な財務管理基準・習慣に対応する必要があり、また証券会社の規模が証券市場の発展につれ大きくなる場合にも、拡大・開発することができるようにするなどの要求を満たさなければなりません。