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ベト株ニュース - ホーチミン証取

  
  

VIS:株価急騰のなぞ 完全無料ニュース

[2007/11/05 21:29 JST更新]

 僅か1ヶ月間にベトイ鉄鋼(銘柄コード:VIS)の株価はおよそ3倍に上昇、11月1日に10万1,000ドンに達した(25営業日続伸)。11月2日に当銘柄は最初の調整に入り株価がストップ安したが、この銘柄の株価急騰の原因は何だろうか?ということを評価してみよう。

1) これまでの急騰銘柄のように

 VISがホーチミン証券取引所へ2006年12月25日に上場した。当時の資本金は1,000億ドンであった。その後、2007年第2四半期に資本金を1,500億ドン(約10億8,700万円)へ増資した。10月30日には9万2,000ドン/株をつけ、時価総額が1兆3,800億ドン(約100億円)に達した。たった1ヶ月の間に、当銘柄は急騰したビンディン鉱産(銘柄コード:BMC)やトゥオン・アン植物油(銘柄コード: TAC)などのように急伸し市場を驚かせた。

 続伸した25営業日でストップ高したことも多かった。第3四半期の利益が45億ドンを上ったという情報が公開された後の10月23日にもVISの株価はストップ高した。

 この銘柄を早くに売ってしまい、残念に思った投資家もいれば、なぜVISの株価が急騰したのか、分からない投資家もいる。投資家のクォン氏は、「第3四半期の税引後利益が僅かに39億ドン程度であり、1,500億ドンの資本金と比べて特別な好業績ではなかった。また発展戦略については、VISの鉄鋼工場事業の投資総額は約4,500万ドルのみであり、展開されている他の鉄鋼工場事業と比べ非常に小さい。予想ではVISは大きな利益を上げるということのようだが、VISの製造原価は、規模の数倍大きい企業とは競争することができない。VISは自社需要を満たすように鉄鋼を精錬しているにもかかわらず、最終的な製品は大手企業と競争する力が足りない。ベトナム鉄鋼産業の大手企業である南部鉄鋼社などは国内鉄鋼の価格を調整する役割として時々価格を引下げなければならないというのにだ。こうしてみるとVIS株が3倍に急騰する理由は見当たらない。」と分析した。

2) 原因は何だろうか?

 先日発表した株価変動説明書では、VISは株価急騰についての3つの理由を挙げている。

 1つ目は、ハイフォン市での製鉄事業が2008年末に稼動するということ。この工場の年間生産能力は40万トンであり、世界の最も近代的な技術(コンスチール炉、炉の横で原料投入)を使用する。

 2つ目は、この事業は銀行に評価され、かなり良い財務指数のため資本援助契約が締結されたこと(内部投資収益率(IRR):20.67%、正味現在価値(NPV):5,035億ドン、資本純利益率:19.12%、資本回収期間:6年)。

 3つ目は、ドイツ銀行とベトナムでの代表と呼べるハノイ住宅開発銀行(ハブバンク)が、VISの2,000億ドンの社債発行(期間5年、金利9~11%)の引受に関して関心を持っているということ。

 しかし、殆どの証券専門家は、VISの株価を急騰させたことには2つの原因があると見ている。

  第一に、世界の鉄鋼価格が大きく変動しているが、VISはそれ以前に大量の鉄鋼原料を在庫していること。第二にはVIS株が海外投資家に購入されたことが原因であるという。アジア商業銀行証券(ACBS)の代表者兼社長補佐であるヒュン・アイン・トゥアン氏は、Credit Suiseの香港支店が連続して購入したことがVISの株価を急騰させた主な原因と考えられると語った。10月30日にも、この金融機関はVIS株の5万 6,300株を購入した(この日売買高は7万600株のみであった)。現在Credit Suiseの香港支店はVISの資本の6%以上を保有しており、同社の大口株主になっている。


  
  
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