国際通貨基金(IMF)がこのほど発表した東南アジア主要6か国(ASEAN6)の経済規模に関する2026~2031年の予測によると、ベトナムは域内で最も成長が速く、購買力平価(PPP)ベースの国内総生産(GDP)でタイを抜き、東南アジア第2位の経済規模になる見通しだ。
2026年にPPPベースのGDPで2兆USDを突破
予測によると、2026年のベトナムのPPPベースのGDPは2兆0250億USD(約320兆円)に達し、◇タイ、◇マレーシア、◇フィリピン、◇シンガポールを上回り、インドネシアの5兆2300億USD(約830兆円)に次ぐ2位となる。インドネシア以外で2兆USDを突破するのはベトナムのみだ。
2031年までにベトナムとタイの差はさらに広がり、ベトナムがタイを5000億USD(約80兆円)以上上回る見込みとなっている。また、首位のインドネシアに対するベトナムの経済規模は、2026年の約39%から2031年には約46%まで拡大し、差を急速に縮めると予測されている。
名目GDPとPPPベースのGDPの違い
ホーチミン市銀行大学(HUB)のグエン・アイン・ブー博士によると、名目GDPは為替レートで換算した総価値であるのに対し、PPPベースのGDPは物価水準を調整した実際の購買力を反映する。
例えば米国で6USD(約950円)のハンバーガーが、ベトナムでは4万VND(約240円)、つまり約1.5USD(約240円)で買える。このように、同じ金額で買えるモノやサービスの量が多いため、ベトナムのPPPベースのGDPは名目GDPを大きく上回っている。
世界銀行(WB)のデータによると、2024年のベトナムの名目GDPは4760億USD(約76兆円)だったが、PPPベースのGDPは1兆6500億USD(約260兆円)と約4倍に上った。
生活水準の向上にはさらなる成長が必要
ブー博士は、経済規模がタイを上回るとしても、生活水準の比較においては1人当たりの名目GDPやPPPベースのGDPを見る必要があると指摘した。2024年の1人当たり名目GDPはタイが約7350USD(約117万円)、ベトナムが約4720USD(約75万円)だった。PPPベースの1人当たりGDPはタイが2万4710USD(約390万円)、ベトナムが1万6385USD(約260万円)となっている。
これはベトナムの人口が1億人を超え、タイの約7000万人より多いことが要因だ。生活水準の格差を縮小するには、ベトナムは今後も高度成長を維持する必要がある。一方でブー博士は、ベトナムの経済規模が名目およびPPPベースでタイに肉薄・凌駕し地域2位となることは、長年の高成長の結果であり、今後のさらなる成長に向けた重要なマイルストーンだと強調した。


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