新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、長い休校措置が適用されたことが契機となって、ベトナム国内でオンライン学習(Eラーニング)の需要が急速に高まっている。
ベトナムでは、2019-2020年度教育課程の前期が1月に終了してテト(旧正月)休みに入り、2月上旬には後期が始まる予定だった。しかし、国内で新型コロナ流行拡大の懸念があったため、拡大防止対策として休校措置が適用。その後も休校措置が延長され、4月末または5月初めまで長引くことになったため、多くの学校はこの間に無料オンライン学習スペース「グーグルクラスルーム(Google Classroom)」などを活用して授業を行ってきた。
こうした背景から、◇携帯通信最大手の国防省傘下ベトナム軍隊工業通信グループ(ベトテル=Viettel)が展開する「ベトテル・スタディー(Viettel Study)」、◇ベトナム郵便通信グループ(Vietnam Posts and Telecommunications Group=VNPT)の「VNPT e-learning」、◇「トピカ(Topica)」、◇「ホックマイ(Hocmai)」など地場系のオンライン学習プラットフォームも利用者数が急増。
ベトテルによると、教師・生徒・保護者向けソーシャルネットワーキングサービス(SNS)である「ベトテル・スタディー」を利用している教育施設は約2万6000校、1日当たりのページビュー(PV)は4100万余りに増加した。
オンライン学習プラットフォームの設立で2014年から教育訓練省と協力している同社は、「ベトテル・スタディー」の利用をさらに促進すべく、教師・生徒に対するプラットフォームへのアクセス通信料を無料化。新型コロナ終息後も引き続きオンライン学習事業に注力していく考えだ。