国防省傘下ベトナム軍隊工業通信グループ(ベトテル=Viettel)は16日、ハノイ市のホアラック・ハイテクパークで、国内初となる半導体チップ製造工場を着工した。式典には、ベトナム共産党のトー・ラム書記長やファム・ミン・チン首相をはじめとした、国の指導部や関係省庁の代表者らが出席した。
同工場は用地面積27haで、半導体チップに関する研究・設計・試作・製造を担う国家的なインフラとして位置付けられる。稼働後は、航空宇宙、通信、モノのインターネット(IoT)、自動車、医療機器、自動化など、国の主要産業分野の需要に対応する。
半導体チップは、◇製品定義、◇システム設計、◇詳細設計、◇チップ製造、◇パッケージング・検査、◇統合・試験の6工程を経て完成する。これまでベトナムは5工程に参画してきたが、最も高度かつ中核となる製造工程は国内で行ってこなかった。同工場の稼働により、半導体生産プロセスを国内で完結できるようになる。
半導体チップ製造は、精密で厳格な工程が必要とされる。高純度のシリコンウエハーから、約1000ものステップを経てチップが形成され、完成までにかかる期間は約3か月に及ぶ。わずかな誤差でも全工程に影響を及ぼすため、高度な技術力と管理能力が求められる。
同工場は建設の完了後に技術移転を受け、2027年末までに32nmチップの試験生産開始を目指す。2028~2030年にかけて、工程の高度化・最適化を進め、生産ラインの効率向上を図る。これにより、より高度なチップの製造技術の研究に向けた基盤を構築する。また同工場は、半導体チップ人材の実践的育成拠点としての役割も担う。
同工場の稼働により、ベトナムは科学技術とイノベーションを基盤に、グローバル・バリューチェーンへ深く参画することが可能となる。半導体チップを自国生産することは、経済的意義にとどまらず、テクノロジー安全保障の確保や長期的な戦略的自立能力の強化にも寄与すると期待されている。


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