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EV用充電スタンド市場、ビンファストの圧倒的地位をEVNが崩すか 完全無料ニュース

[2023/06/01 15:05 JST更新]


(C) doanhnghiepkinhdoanh 写真の拡大

 電気自動車(EV)はベトナム国内で浸透しつつあるものの、EV用充電スタンドの数は依然として限られている。先頭を走るのはEVの製造販売を手掛けるビンファスト(VinFast)を傘下に置く地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)だが、独立系のEV用充電スタンド開発運営会社もヒートアップしている模様だ。

 商工省傘下のベトナム電力グループ(EVN)の子会社、中部電力総公社(EVNCPC)傘下の中部電子生産センター(CPCEMEC)は、独自開発したEV用充電スタンドの試験導入を経て、商品化した。第1弾として6台を製造し、納品した。これらのEV用充電スタンドはハノイ市に設置される見通しだ。

 CPCEMECは2017年、南中部沿岸地方ダナン市のEVNCPC本社に自社製EV用充電スタンドを初めて設置。これを皮切りに、PVオイル[OIL](PV Oil)傘下の一部のガソリンスタンドなどにEV用充電スタンドを設置した。

 EVN製のEV用充電スタンドは「IEC 61851-23/24」や「IEEE 2030.1.1」など、EV用充電スタンドに求められるアジアとヨーロッパの規格に準拠する形で設計・製造され、バッテリー容量に応じて30~40分以内に80%まで充電することが可能だ。

 EVN製のEV用充電スタンドはベトナムの電気料金支払いシステムとも互換性があり、複数の規格のEVに対応できる。

 これまでに、少なくとも7社のメーカーがベトナム国内でEVを発表した。

 ドイツ系ポルシェ(Porsche)のEV「ポルシェ・タイカン(Porsche Taycan)」は2021年4月に、英国系ジャガーのEV「ジャガーiペース(Jaguar i-Pace)」は翌5月に、続々とベトナム市場に登場した。

 地場チュオンハイ自動車(Truong Hai Automobile=THACO)は近く、起亜(KIA)ブランドのEV「KIA EV6」を投入すると発表した。

 さらに、地場タインコングループ(Thanh Cong Group)は2022年4月、第1弾として韓国の現代自動車(ヒュンダイモーター=Hyundai Motor)ブランドのEV「アイオニック5(Ioniq 5)」をベトナムでお披露目した。次は「アイオニック6(Ioniq 6)」と「アイオニック7(Ioniq 7)」を発売する予定だ。

 ドイツ系メルセデス・ベンツ・ベトナム(Mercedes-Benz Vietnam=MBV)も、2022年にEV「メルセデスEQ(Mercedes-EQ)」をベトナムでお披露目した。

 直近では、トラック設備・部品の生産販売・組立を手掛けるTMT自動車[TMT](TMT Motors)も5月中旬に、同社が組立・販売を予定している中国系小型EV「宏光MINI EV(Hong Guang Mini EV)」を発表した。

 EVの浸透に伴い、EV用充電スタンドの需要も拡大していくものと見込まれる。しかし、VICのファム・ニャット・ブオン会長は5月中旬に開かれた定時株主総会で、「EV市場で自社のシェアを獲得すべく、他社ブランドのEVがビンファストのEV用充電スタンドを利用できるようになるのは10年後」とコメントした。

 こうした中、独立系のEV用充電スタンドは、ビンファストほどの広大なEV用充電スタンド網を持たないEVメーカー、そしてビンファスト製以外のEVの所有者にとっても救世主になるものと期待される。


  
  
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