VKFTAの交渉は2012年8月6日に開始され、これまでに8回の正式会合と8回の中間会合が開催された。2014年末に交渉の妥結に関する合意書に調印し、今回の正式署名に至った。
韓国はベトナムに対し、エビや魚、果実などの農水産物、縫製品など、ベトナムの主力製品を含めた全品目の95.4%の関税を撤廃し優遇する。
一方、ベトナムは韓国に対し、履物・縫製・プラスチックの原材料、電子部品・パーツ、トラック、エンジン排気量3000cc以上の自動車、自動車部品・パーツ、家電製品、鉄鋼製品、電力ケーブルといった韓国の主力製品を含めた全品目の89.2%の関税を撤廃する。
同FTAが発効すれば、今後ベトナム製品の対韓国輸出は大きく増加するものと見込まれている。これに加えてベトナムは、履物や縫製の原材料、電子部品・パーツなどを低コストで韓国から調達できるようになる見通しだ。
一方、これにより韓国企業の対ベトナム輸出と投資も増加し、ベトナムで日本製品と競合する韓国製品の価格競争力も高まるものと見られている。
計画投資省傘下の海外投資局によると、2015年4月時点における韓国の対ベトナム投資認可案件数は4333件、認可額は385億4426万USD(約6兆9000億円)に上り、韓国はベトナムにとって最大の投資国となっている。現在、4000社以上の韓国企業がベトナムに進出している。