地場系コングロマリット(複合企業)ビングループ[VIC](Vingroup)傘下のビンファスト(VinFast)はこのほど、インド最大の市中銀行である国営系インドステイト銀行(SBI)との間で、EV購入者向けの優遇ローン提供に関する覚書(MOU)を締結した。
この提携により、インド国内の個人顧客は、ビンファスト製のEV購入時に特別金利や登録費用を含む最大100%の融資に加え、特典や優先サービスも受けられる。SBIの専任スタッフが、すべてのビンファスト販売店に常駐し、ローン手続きから納車までをサポートする体制を整える。
ビンファストはSBIの約2万3000の支店ネットワークを活用し、都市部から地方まで幅広い顧客層へのリーチ拡大を狙っている。これにより、同社のEV普及を後押しするとともに、インド市場での事業基盤を一層強化する。
ビンファスト・アジアのファム・サン・チャウ社長は、「SBIとの提携は、インドでの成長戦略における重要な一歩だ。SBIの信頼性と広範なネットワークにより、当社の高品質なEVをより多くの顧客に届けられる」と語った。
一方、SBIのリテール・不動産部長のG.S.ラナ氏は、「EV市場の成長には金融アクセスが不可欠だ。今回の提携は、当行が掲げるグリーンローン比率7.5%達成という目標にも合致する」と述べた。
なお、ビンファストはこれに先立つ8月初旬に、インド南部タミル・ナードゥ州にEV組立工場を開所しており、近く同国市場に同社製EV「VF 6」と「VF 7」を投入する予定だ。