建設省によると、2025年の不動産市場では、価格上昇が全国的にみられ、とりわけマンション価格が新たな上昇局面に入った。同年のマンション販売価格は前年から+20~30%上昇し、一部地域では+40%超の上昇を記録した。上昇は主に中~高級物件に集中している。
価格上昇はマンションに限ったものではない。プロジェクト内の戸建て住宅やタウンハウスは+10~20%上昇し、インフラが整備されたエリアや都市中心部で顕著だった。土地価格も+20~25%上昇しており、用地不足を背景とした投資家の期待感が反映されている。
価格上昇と並行して、市場の流動性は改善した。2025年の全国の不動産成約件数は57万9700件超となり、前年を7.7%上回った。このうち、マンションと戸建て住宅が13万8000件超を占め、住宅需要自体は依然として底堅い。
一方で、建設省は「取引は均等に分布していない」と指摘している。需要は立地条件が良く、法的手続きが明確な中~高級物件に集中しており、実需目的の購入者にとって、住宅購入のハードルは高まっているという。
建設省の2025年7~9月の不動産市場レポートによると、マンション価格は複数四半期にわたり上昇を続け、中~高級セグメントが市場をけん引している。
新築マンションの平均価格は、ハノイ市では1m2あたり約9500万VND(約57万円)、ホーチミン市では約9100万VND(約55万円)で、中心部では1億2000万~1億5000万VND(約72万~90万円)に達する案件もある。
注目すべき点として、新築市場では供給の43%超が1m2あたり1億2000万VND(約72万円)超の価格帯となっていることが挙げられる。
ベトナム不動産仲介協会(VARS)によると、2019年と比べて2025年7~9月時点のマンション価格は、ハノイ市で+96.2%、南中部地方ダナン市で+77.1%、ホーチミン市で+56.9%上昇した。多くのプロジェクトでは、短期間で1戸当たり数億VND(1億VND=約60万円)~10億VND(約600万円)超の値上がりがみられ、周辺インフラや建物の品質の改善が伴わないケースも少なくない。
不動産仲介大手CBリチャードエリス(CBRE)ベトナムの予測によると、2026年のホーチミン市の新規マンション供給は3万2000~3万4000戸となり、2025年の約2倍に拡大する見通しだ。供給の多くが中心部の市街地に立地し、残りは旧ビンズオン省などの周辺地域となる。
ただし、新規供給は高級・超高級物件に大きく偏っており、中心部では1m2あたり1億2000万VND(約72万円)超が主流となる見込みだ。供給が増加しても、実需層にとって住宅購入が容易になるとは限らない状況が続いている。


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