ベトナムで国内初の炭素取引所が6月末に試行稼働したものの、初日の取引以降、1か月余りにわたり新たな取引が記録されず市場は低迷している。
初日は温室効果ガス排出枠「VN2025」が1210t、約1億6170万VND(約97万円)で売買されたが、その後は沈黙が続いている。取引商品の少なさやクレジット供給の遅れ、企業の準備不足が主な要因だ。
現在、取引可能な商品は2025~2026年の排出枠のみで、カーボンクレジットは未上場だ。国際クレジットは手続きに最大8か月を要し、国内クレジットについても算定手法が未策定だ。
第1段階の対象となる92社には、鉄鋼大手のホアファットグループ[HPG](Hoa Phat Group)や台湾プラスチックグループ(フォルモサ・プラスチック・グループ=Formosa Plastics Group)傘下のフォルモサ・ハティン・スチール(Formosa Ha Tinh Steel Corporation=FHS)、ベトナム電力グループ(EVN)、ベトナムセメント総公社(Vietnam Cement Industry Corporation=VICEM)などが含まれるが、多くの企業が自社の排出枠の過不足を把握できず、税務処理にも戸惑っている。
先行する中国や韓国でも初期は低迷しており、今後は2050年の排出量実質ゼロに向けたグリーントランスフォーメーション(GX)の進展などが取引を活性化させると専門家は指摘している。
ハノイ証券取引所(HNX)が運営する同取引所は、2028年末までの試行期間中、手数料を免除して企業の参加を促している。ベトナム政府は2050年までのネットゼロ達成に向けて炭素市場の整備を進めており、今回の取引所の稼働は、グリーン経済への移行や持続可能な発展のための重要な資金調達チャネルとなる見通しだ。


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