Fullbright経済教育センター副社長であるブー・タイン・トゥ・アイン博士は、商業銀行に対して証券担保貸付を貸付総額の3%以下に制限する国家中央銀行の指示について下記の通りコメントした。
質問)現在、商業銀行に対して証券担保貸付を貸付総額の3%以下に制限する国家中央銀行の指示についていろいろな意見があるようですが、ご意見を聞かせてください。
回答)まず、証券担保貸付を管理することは必要だと思います。証券市場は金融市場と不動産市場への連動を背景に急速に発展していますので、証券市場の変動は他の市場に直接大きく影響します。証券市場でリスクが発生した場合には、銀行や不動産にも影響が及びます。その影響がある程度大きくなれば、経済危機を起こす可能性さえあります。
それに加え、政府はインフレを懸念していると思います。今年半期のインフレ率は予想よりかなり高いものになっています。この状態が続けば、年末には目標インフレ率の達成が難しいと予測されています。
こういった要因から、国家中央銀行は必要な手法を採用することになります。
質問)適宜必要な手法を採用するということですが、この3%以下の制限という規定に対しては賛同する人があまりいないのではないでしょうか?
回答)多分皆が賛同していないというのは、国家中央銀行のやり方に対してだと思います。実施されている3%という数字の科学的根拠を示すことは難しいでしょう。
しかし、それより大切なことは、調節する(証券担保貸付を抑え)ということの目的です。言うまでもなく、調節活動の目的は銀行システムの安全を確保するためです。国家中央銀行はこの目的を達するための手段を既に持っています。私の理解では、ベトナムの銀行はBIS規制(自己資本と資産の比率を、国際業務を行う銀行は8%以上に、国内のみの銀行は4%以上維持することを義務付けるもの)を採用しているということです。先進国では新BIS規制を採用していると思います。
政府の管理面から考えば、政府がすべきことは証券担保貸付のリスク係数を決めることだと思います。それによって、各銀行は自行の証券担保貸付が貸付総額の最大何パーセントまで行えるのか計算し管理するのです。
言い換えれば、銀行システムの安全性や持続性を最終地点として、逆算して解決するということです。そして、BIS規制に基づいて証券担保貸付へのリスク係数を決定する。リスクが高い(低い)と判断すればリスク係数を増加(減少)させれば良いわけです。
そうすれば、国家中央銀行は商業銀行の活動にあまり入り込まなくても銀行システムの安全性を確保するという目的を達成できるのではないでしょうか。
質問)そんなに単純なことであれば、国家中央銀行はどうしてこの手法を採用しないのでしょうか?
回答)情報管理システムがすごく悪いためだと思います。国家中央銀行は各金融機関の資本安全レベルを把握できないから、こうした行政的な手法を採用せざるを得ないのです。
(2)に続く


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