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ベト株ニュース - 市場概況

  
  

風邪気味なのに強過ぎる処方薬(2) 完全無料ニュース

[2007/06/26 21:29 JST更新]

回答)行政的な手法を採用することは国家中央銀行にとって楽ですが、逆に商業銀行の内部活動に深く入り込み、商業銀行の柔軟性を奪うので経済活動に支障をきたすと考えられます。要するに国家中央銀行は風邪気味だというだけで、それを治すために強い薬を使ったということです。

質問)銀行は担保とされる証券に対して、時価評価30~40%程度で貸付しています。株式市場が現在の半分以下に下落したとしても、銀行にはリスクがまったくないではないかという意見があります。この問題についてどう考えますか?

回答)先ほど言ったように、最終的な目的は安全確保です。よって、比率を決めるべきです。二つの方法があると思います。一つ目は問題を逆算し解決するという方法です。貸付残高と商業銀行の貸付し方に基づいて現在の貸付比率を計算します。その比率に対してリスクがどの程度あるのか評価するわけです。

 たとえば証券担保貸付を貸付総額の3%と決定して、それによって自己資本比率がBIS規制を満たすのであれば、その枠を5%か7%に拡大することができるというものです。とにかくBIS規制を満たすことが肝腎です。

 二つ目の方法は証券担保貸付のリスク係数を変動させて全体として管理するというものです。現時点で株式市場に多くのリスクが潜在していると評価すれば、リスク係数を増やせばよいのです。これは実は銀行の貸付する選択肢を増やすことになるのです。つまり、リスクの高い貸付を行ったら、リスク全体で銀行の安全性を考えるわけですから、銀行としては他の貸付を減らさなければならないということになります。

 現在国家中央銀行が採用している方法は、商業銀行に一つの窓だけしか通らせない、ということでしょう。3%という上限を出すことで、商業銀行の証券担保貸付活動を制限しようというだけなのです。銀行としての他の活動分野には作用を及ぼすことも出来ずに、金融システム全体の安全度はよくわからないのではないでしょうか。ということは、国家中央銀行は有効な手を打とうとしてナイフを持っていますが、実はナイフの柄の部分ではなく、刃の部分を掴んでいるので、ナイフを使って安全にかつ有効に作業を進めてはいないのではないかということです。

質問)こういった行政的な手段は全体の経済発展にどう影響しますか?

回答)WTO加盟に際してのすごく大切な要求は、政府の経済への干渉を少なくするということです。これは経済に内在している要求です。つまり、安定して予想できる明瞭な経営環境を作るということです。

 政府の規定を事前に予想することができずに、若しくは規定の発表から有効日までの期間が短いとしたら(例えば15日間-証券担保貸付制限の場合)、企業は新しい規定、条件にすぐに対応することはできません。マクロ経済管理の立場からすると、こういった規定が、経済環境を不安定にするといえるでしょう。直接に影響を受けている銀行や企業の立場からすると、受動的な対応しかとれずに適応しづらい経営環境であるといえるでしょう。

 我々はベトナムで大企業がないとよく言いいますが、ビジョンがたった数年間で、また経営環境が事前の予告も無く突然変更される、ということを常に想定していなければならないのです。これでは大きくなることができない。

 私個人的な意見ですが、政府は経済に干渉する手法を変える必要があると思います。調節政策で干渉することはできますが、政策を行使することで起こること、或いは企業の反応を事前に予想しなければなりません。つまり、政府は自分の都合で政策を出すではなく、政策を出す前に分析して、政策による社会的費用を詳しく考慮しなければならないということです。

(終)


  
  
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