先日の9月6日にハウザン製薬(柄コード:DHG)の株価は38万8,000ドンであった。これはホーチミン証券取引所の銘柄のうち、株価が第2位の銘柄である。残りの製薬2銘柄はドメスコ医療輸出入株式会社(銘柄コード:DMC)とイメックスファーム(銘柄コード:IMP)であり、株価がそれぞれ16万ドンと17万1,000ドンであった。現在、多くの投資家は製薬銘柄に対して良好な評価を与えている。
1) 優位性
製薬業は経済専門家に発展する展望が非常にあると評価されている産業である。特にベトナムでは政府が薬価と流通システムを管理しているため、国内企業の競争力は高い。ホーチミン証券(HSC)の分析部門によると、製薬業の成長率はとても高く、年間18~20%に達しており、利益も大きいという。ホーチミン証券取引所に上場している製薬企業の業績を見ればわかるだろう。DHGの2007年度上半期の売上高は5,543億ドン(約39億6,000万円)に達し、前年同期比44%増加した。また利益は581億ドン(約4億1,500万円)に達し、前年同期比37%増加した。2007年度EPSは約11,624ドンと予想されている。
一方DMCの上半期の売上高は3,915億ドン(約27億9,700万円)、前年同期比24%増、利益が255億ドン(約1億8,200万円)で、前年同期比22%増加した。DMCの2007年度EPSは約3,708ドンと予想されている。同様にIMPの利益も24%増加し、今年度EPSは6,264ドンと予想されている。またVidipha、Mekophar、OPC等のOTC市場で株が取引されている製薬企業も投資家にかなり高く評価されている。
1995年~2005年までの段階に製薬業の売上高は6倍増加したが、国内需要の40%しか満たせず、残りは輸入しなければならない。従って、ベトナム製薬業の2010年までの目標は国内生産は国内需要の60%を満たし、12~15ドル/人という消費量に達する(現在は10ドル/ 人)ということになっている。
HSCのアナリストによると、製薬業は特別な産業であり、特別な製品を作っているという。特にベトナム政府は海外の製薬企業が国内市場で直接的に販売することを許可していない。国内製薬企業の最大の優位性は、流通システムが全国に広がり、海外企業との競争に曝されていないことであり、そのため原価の低い低価格薬品の市場を占領しているという。ACB銀行証券のブローカー部長であるチュオン・ズイ・キエム氏も、製薬銘柄は投資家が検討し投資するのに、とても優良な銘柄であり、特に株価が20万ドン以下の銘柄に注目したい、とコメントしている。
2) リスク
HSCの分析によると、製薬業のリスクはずばり、政府の製薬業管理政策や薬価管理政策の変更にある。また多くの国内製薬企業がWTO誓約に従って国際基準を満たしていないということが大きな課題である。国内企業は財務能力、製品品質、マーケッティング戦略等が強力な海外企業と直接的に競争しなければならない。2007年1月1日より海外の製薬企業はベトナムで支店を設立することが可能になった。又、2008年1月1日より外資が51%以下の製薬企業は薬品を輸出入することが、2009年1月1日より海外の製薬企業がベトナムで薬品を販売することができるようになる。
国内製薬企業の最大な弱みは、一般的な薬品(ジェネリック医薬品)は生産できるが、特別な薬品は製造できないということだ。更に多くの国内製薬企業は、医療品製造・品質管理基準(GMP基準)を取得していない。現在、製薬企業200社のうち、約3分の1だけはGMP基準を取得した。GMP基準の取得とは、WTOに加盟した後に海外の製薬企業が国内企業とフランチャイズ契約を締結するための一つの条件になっている。こうしたこともあり、専門家は国内製薬企業が価値の高い特別な製品を製造することに集中する方が良いとコメントしている。そうすることで製薬企業の信頼性が高まり、ブランドの価値が向上し、大きな利益を生み出すことができるようになる。
しかし、キエム氏は、現在DHGの株価は投資家が同社への期待がやや大き過ぎるということを表していると語った。これはリスクになる可能性がある。従って、投資する際には、投資家は自分の目標や戦略を明確にし、考慮すべきだ。ある証券専門家は、長期投資を目指せばやはり製薬銘柄を自分のポートフォリオに入れるほうが良いが、一方短期投資を目指すならば、上記の分析はあまり適切ではなく、損失が出る可能性もあるとコメントしている。


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