最近、雑誌「証券投資」では大口投資家の考えについての調査を行った。調査結果からは、多くは株価の短期的上昇に対して楽観はできない心理状態としながらも、長期的には投資するための良いチャンスであると考えていることが伺えた。特に、ベトナム証券市場は海外の個人、そして機関投資家から関心を寄せられている。
1) どうしてVNインデックスは下落したか?
2007年11月20日にVNインデックスは983.5ポイントをつけた。1,000ポイントレベルはVNインデックスがベトナム外商銀行(ベトコムバンク-VCB)のIPO(新規株式公開)の前後には維持しづらいレベルだ、という意見は多くある。株価についての影響を除外しても、VCBは1兆ドンの額面総額に相当する株式のIPOを行い、市場から数十兆ドンを吸収することを考えてみれば、上昇するよりも下落する可能性が高いということも理解できるだろう。また国家中央銀行の指示第03号は銀行から証券市場に流れる資本を縮小させ、投資家の財務能力も制限している。 11月初めの数日市場が上昇した理由は、ベトナム農業農村開発銀行からの流入資本(証券担保貸付)が市場に投入されたためだった。しかし、現在この流入資本も限界(総貸付の3%)に達した。現在VCB、ベトナム工商銀行(ICB)等の国営銀行は証券担保貸付活動をまだ行っていないため、市場の動向はこれらの銀行の証券担保貸付活動に対する対応に基づくとも言える。
指示第03号は、貸付機関が資金返済を迫り、保有株売却を促す投資家への圧力となり、VNインデックスの上昇を抑えている。多くのアナリストによると、VNインデックスが少し上昇すると、投資家はチャンスを利用して株を売却し、銀行へローンを返済するのだという。こうした心理が働くことを想定しているため、資金力のある投資家(一部のファンド)は、株をより低い価格で購入するチャンスがまだあると考えている。
新規上場企業による市場への株式供給の他、多くの上場企業(赤字の危険性がある企業も含む)は新株発行による増資を予定しているため、証券市場は株式の大幅供給増に直面している。資本を不動産、金融などの見返りが大きいと思われている分野への投資するための資金を調達するために増資が濫用されているという見方もある。一方で、企業や市場の透明性を監督する管理当局の能力にも依然制約がある。たとえば、期限どおり情報を公開するという上場企業の基本的な義務すらまだ厳守されていない。10月25日は第3四半期の業績速報の締切日であったが、現在まだこの義務を実現していない企業もある。
一方、海外投資家も市況を見ながらチャンスを待つ心理状態にあるようである。海外のあるファンド運用会社のマネージャーは、3つの理由からこの時点での投資を一時的に中止させていると語った。1つ目は、米ドル・ベトナムドンの為替が低い設定であるにも関わらず、ベトナムドンのインフレ率は高いレベルに達しているため、外貨をベトナムドンへ両替すること(ベトナムで投資するための1つの決まり)がかなり困難であり、同時に投資家にとってメリットもないことが原因である。2つ目は、市場が年末の近くまで下落傾向を継続する可能性があり、魅力的な投資チャンスがあまりないと見られていること。3つ目は不動産、金融、銀行、製薬など魅力的と評価されている産業は非常に多くの金融機関投資家の関心を惹き付けているため、OTC市場でのこれらの産業の株価が、額面価格の 20倍程度にまで上昇していることがあるという。市場には熱が冷めれば下落するという不変的な性質がある。こうしたことが待ちの心理を助長している。
(2)に続く


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