2) 市場のインフラやサービスを改良
国家証券委員会のある幹部の概算によると、2008年末には証券会社は150社となる見込みだという。人材、財務能力と共に、技術的なインフラ整備とサービス提供体制が生き残りのカギとなるはずである。インフラへの投資は現在盛んに行われている。例えば、タンロン証券はタイの60万ドル相当のソフトを購入、サイゴン商信銀行証券(SBS)はイギリスからソフトを輸入し、FPT証券は親会社のソフトを使わず、インドとオーストラリアのノバというソフトを買うのに数百万ドルの投資を行った。サイゴン証券(銘柄コード:SSI)、ベトナム農業農村開発銀行証券(アグリセコ)、ベトナム外商銀行証券(VCBS)等の大手証券会社もこの風潮を無視するわけには行かないだろう。
3) 優良銘柄が次々
ベトナム証券市場は一大イベントのベトナム外商銀行(ベトコムバンク-VCB)のIPO(新規株式公開)の結果を待っている。このイベントの市場への影響は、積極的なものと、消極的なものと、相反する2つの方向が予想されている。しかし、そうとはいえVCB株が国内銀行における優良銘柄である、ということには変わりがない。一方で政府は国営企業の株式会社化を具体的計画に従って実施することを改めて表明した。2007年~2010年の段階における、ベトナム航空総公社(ベトナムエアラインズ)傘下の国営企業の整備・改革計画に関しても承認している。通信、携帯電話、ビール・アルコール飲料などの国営大手企業も順次株式会社化を行っていく。
一方、証券市場で資本を調達するための条件もより厳しいものになる(行政規定と市場の情報公開を含む要求)。魅力的な優良銘柄だけが投資家から関心を寄せられることになるだろう。
4) 市場への資本追加
指示第03号は証券市場への資本を一部縮小させたと言えるだろう。しかし、不動産市場が資本を吸収し、生産資材や消費財の価格が大きく上昇することは銀行の貸付総額を広げることにもなる。こうして全体のパイが増えることで、最終的には貸付総額の3%という金額も増えている。一方、新しい商業銀行も設立されている。現時点までに原則承認された銀行の総資本金は少なくても10兆ドンと見込まれている。また2009年1月1日以降、商業銀行の資本金は最低3兆ドンとなる。商業銀行40行はこの日までに増資を完成させなくてはならない。
5) 海外投資家の楽観
国際金融市場はアメリカのサブプライムローンによる金融危機の影響を受け低迷していおり、Citigroup、Morgan Stanley、Bear Stearns等の大手金融機関も赤字になっているにもかかわらず、ベトナムは魅力的な投資先と評価されている。2007年11月末までにベトナムへの海外直接投資(FDI)は150億3,000万ドルに達し、その時点で今年の予想金額を15%上回っていた。海外間接投資は詳しく統計には現れないが、非常に大きく絶えず増加している。
VCBのIPOに関しては、信頼ある国際的な新聞は全て楽観的な評価を下している。 Financial Timesは、これはベトナムでの大規模株式会社化の波の始まりとコメントしている。Dragon Capitalは、これは市場に対して非常に重要なイベントであり、VCBは本当に大きな財産であると語った。Reutersも、VCBのIPOによって、WTO加盟の誓約通り、ベトナム市場は開放されるとコメントしている。Reutersは、「市場が年末に過熱し、来年には暴騰する」というPXP Asset Managementの社長のコメントを引用している。世界金融市場の大手企業であるGEや野村證券も、VCBの海外戦略的パートナーになることを希望している、とされる。
以前に発表された、ベトナム証券市場は理想的な長期投資先である、という評価はその確かさを今まさに示している、といえるだろう。大きく成長しながら発展している経済においては、投資チャンスが合理的な株価の高さと見合っていれば、問題はない。今年のクリスマスツリーには思いがけなく面白いプレゼントが用意されているのではないだろうか。メリークリスマス!
(終)
*関連ニュース:クリスマスシーズンの証券:どきどきとわくわく(1)


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