科学技術省は26日、ハノイ市で「半導体チップ試作支援国家センター(Vietnam National Multi-Project Wafer Coordination Center=VNMPW/CC)」の設立式典を開催した。同センターはベトナム初の国家レベルの半導体チップ試作支援拠点で、国内のチップ研究・設計のニーズと世界の半導体製造エコシステムを結びつける重要な役割を担う。
半導体産業のボトルネック解消
現在、ベトナムは産業規模での半導体チップ製造能力を持たず、研究や試作のインフラも限られている。海外の工場で試作を行う場合、設計から試作への移行(テープアウト)費用が1設計あたり3万~20万USD(約490万~3240万円)、待ち時間が12~24か月もかかる。
現在、国内には約60社の集積回路(ICチップ)設計企業と約7000人の設計エンジニアが存在し、初期統計では12機関・組織が約3万個のチップ試作を希望している。
同センターは複数の設計を同一バッチで製造する「マルチプロジェクトウェーハ(MPW)」モデルを採用し、コスト削減と開発期間の短縮を図り、「Make in Vietnam」のチップ製品の形成を目指す。
3段階の開発ロードマップ
開発ロードマップによると、2026~2027年には国が試作費用を100%支援し、ベトナムでのMPWモデルの運用能力を形成する。2028~2030年には国が費用の一部を支援しながら、共用インフラや研究所システム、設計ツール、テスト環境などを完備する。2030年以降は先進技術を習得し、東南アジアで権威あるセンターとなることで、世界の半導体バリューチェーンにより深く参加することを目指す。
国内外のパートナーと提携
同センターは式典で、米国の半導体設計ソフトウェア大手であるケイデンス(Cadence)やシノプシス(Synopsys)、米国の半導体メーカーであるインテル(Intel)やアムコー・テクノロジー(Amkor Technology)、ドイツの半導体メーカーであるインフィニオン(Infineon)、台湾の半導体受託製造大手である台湾積体電路製造(TSMC)、米国の半導体受託製造企業であるグローバルファウンドリーズ(GlobalFoundries)、国防省傘下ベトナム軍隊工業通信グループ(ベトテル=Viettel)、ベトナムの情報通信(IT)最大手FPT情報通信[FPT](FPT Corporation)など国内外のパートナーのほか、ベトナム国家大学ハノイ校(ハノイ国家大学=VNU-HN)、ベトナム国家大学ホーチミン市校(VNU-HCM)、ハノイ工科大学(HUST)などと覚書(MoU)を締結した。
また、国内外の21人の専門家から成る専門諮問グループも発足した。
同センターは科学技術省情報技術産業局傘下の公立事業体として、設計ツールの提供や人材育成、スタートアップ企業および半導体チップ製品の商業化の支援、投資ファンドとの連携なども行っていく。さらに、先進国の組織・企業とのネットワーク構築や、オープン技術の共有コミュニティの形成も進める計画だ。


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