地場テクノロジー企業のCMC技術グループ[CMG](CMC Corporation)は12日、韓国のソウルで開催されたベトナム・韓国経済フォーラムで、韓国のサムスン物産(Samsung C&T)との間で、ホーチミン市における大規模データセンター「CMCハイパースケールデータセンター(CMC Hyperscale DC)」の共同開発に関する覚書(MOU)を締結した。
データセンターは、ホーチミン市のサイゴンハイテクパーク(SHTP)内に建設される予定で、投資総額は約10億USD(約1480億円)となる見込みだ。第1期は30MWの規模で、約2億5000万USD(約370億円)を投資し、その後は100MW超への拡張を計画している。
サムスン物産は、国際基準に準拠した設計・施工・運用を担当するほか、情報セキュリティや環境配慮技術を導入する。また、自社のグローバルネットワークと技術力を活かし、効率的なセンター運用を支援する方針だ。
CMGはこのデータセンターを「ホーチミン市の人工知能(AI)の心臓部」と位置付け、AI、クラウド、ビッグデータ、サイバーセキュリティなどを統合した高度なデジタルインフラを整備する計画だ。
米アップタイム・インスティテュート(Uptime Institute)によるデータセンターの技術設計に関する格付け基準である「ティア3+(Tier 3+)」および「ティア4(Tier 4)」に準拠した設計とともに、低遅延かつ大容量のデータ通信に対応する最先端技術を採用する。
同プロジェクトは、ベトナムおよび東南アジア地域におけるAIとクラウドインフラの需要に応えるとともに、世界のテック企業やAIスタートアップ、研究開発拠点の誘致にも寄与すると期待されている。
今回の提携により、CMGはサムスン物産のグローバルネットワークにアクセスできるようになり、国際資本や先端技術、人材の誘致も加速する見通しだ。
また、CMGは韓国のテクノロジー企業3社および11の大学・教育機関とも計14件の覚書を締結した。AI、データセンター、人材育成など多岐にわたる分野で、ベトナムと韓国の戦略的技術協力をさらに深化させる狙いがある。