2025年のベトナム電子商取引(eコマース=EC)市場は前年比で堅調に成長し、全体の約97%のシェアを占めるショッピー(Shopee)とティックトックショップ(TikTok Shop)の2強による競争が一段と激化している。
ティックトックショップが急成長、ファッション部門で首位に
電子商取引(eコマース=EC)データ分析プラットフォーム「ユーネットECI(YouNet ECI)」のレポートによると、2025年におけるショッピー、ティックトックショップ、ラザダ(Lazada)、ティキ(Tiki)の上位4プラットフォームの流通取引総額(GMV)は前年比+26.0%増の約458兆1600億VND(約2兆8000億円)に達した。
このうち、ショッピーは同+6.0%増で57.5%のシェアを握り首位を維持した。一方、ティックトックショップは同+93.0%増と急成長し、シェアを前年の26.9%から38.1%へと拡大した。ラザダのシェアは2.5%、ティキは0.4%にとどまった。
部門別に見ると、市場全体の流通取引総額の約28.0%を占めるファッション・アクセサリー部門で、ティックトックショップが53.1%のシェアを獲得し、ショッピーの46.1%を抜いて初めてトップに立った。動画コンテンツとライブ配信を組み合わせたモデルが購買意欲の促進に貢献した。
日用消費財(FMCG)部門や美容部門、電子・家電部門では依然としてショッピーが首位を維持しているが、美容部門では正規店からの販売量が増加するなど、消費者の品質や出所への関心が高まっている。
販売者数は減少、効率とデータ活用が鍵に
2025年10~12月には、プラットフォーム手数料の引き上げに伴い市場全体の平均販売価格が前年同期比約+33.0%上昇し、販売量は同▲8.0%減となった。
世代別では、Y世代(1981~1996年生まれ)が実用性を重視して慎重な消費傾向を見せる一方、Z世代(1997~2010年生まれ)は価格に敏感な傾向がある。
ユーネットECIは、市場が明確な選別期に入っており、販売者数が▲5.6%減少する中で販売者1人当たりの平均売上高は+33.0%増加していると指摘し、効率とデータの活用が不可欠になっていると述べた。
ECデータ分析を手掛けるメトリック(Metric)のデータでも、2025年のEC市場における出店者数が前年比で減少していることが確認されている。競争の激化や運営コストの上昇により経営体力の乏しい事業者が撤退し、専門性や規模を持つ事業者への集約が進んでいる形だ。また、物流インフラの面では、企業がコスト最適化を目的に、中核市場のホーチミン市やハノイ市から周辺の衛星地域へと拠点を分散させる動きも進んでおり、市場構造は大きく再編されつつある。


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