ホーチミン市の2026年1~3月期の不動産市場は、貸出金利の上昇や高級セグメントへの供給の偏りにより、マンションやタウンハウスの取引が大幅に減少した。英系総合不動産サービス会社のサヴィルズ・ベトナム(Savills Vietnam)が8日に発表した市場レポートで明らかになった。
マンション市場の動向
優遇貸出金利が年8~9%、変動金利が年12~15%に上昇し、購入者の資金負担が増加している。新規供給の約3分の2が高級セグメントに集中していることもあり、買い控えが広がっている。
1~3月期のマンション吸収率は通常時の約60%から約40%に低下した。新規供給戸数は前年同期比で増加したものの約1900戸にとどまり、全体の一次供給戸数は約4700戸に減少した。このうち市東部が全体の85%を占めている。一方、建設資材費などの高止まりを背景に、一次販売価格は1m2あたり平均9100万VND(約55万円)と依然として高い水準を維持している。
庭付き一戸建て・タウンハウス市場の動向
庭付き一戸建ておよびタウンハウスの市場もマクロ経済の影響を受けており、1~3月期の新規供給は70戸へと急減した。一次供給戸数も2900戸に落ち込んでいる。同期の取引件数は300件にとどまり、吸収率は11%に低下した。
ただし、不動産開発を中核とする民間複合企業ビングループ[VIC](Vingroup)の子会社で住宅開発最大手ビンホームズ[VHM](Vinhomes)が展開する案件「ビンホームズ・グリーン・パラダイス(Vinhomes Green Paradise)」が前四半期に好調な売れ行きを示したことや、一部の案件で販売価格が引き上げられたことから、1m2あたりの一次販売価格は1億9900万VND(約120万円)に上昇した。
今後の市場見通し
2026年通年では約1万3000戸のマンションが新規販売され、2028年までの累計供給戸数は約5万9000戸に達する見込みだ。今後は郊外へのシフトが進むと予想され、広大な土地とインフラ整備を背景にカンゾーやクチなどの郊外が新規供給の65%を占め、市場を牽引すると期待されている。市場の回復には貸出金利の動向が鍵となるが、中長期的にはインフラ発展や郊外への人口移動により成長の余地があると見られている。


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