地場テクノロジー企業のワンマウントグループ(One Mount Group)が展開する小売店向け流通プラットフォーム「ワンショップ(OneShop)」が、7月初旬に運営を停止した。
サービス開始からわずか8か月での終了となる。同グループは、企業間取引(B2B)流通モデルから転換し、今後は人工知能(AI)やデータを活用し、金融、不動産、小売、ヘルスケア、ライフスタイルを結ぶエコシステムの構築に注力する方針だ。
ワンショップは、前身の「ビンショップ(VinShop)」を継承した小売店向け流通プラットフォームだ。ビンショップは、当時ビングループ[VIC](Vingroup)の子会社だったワン・マウント・グループが2020年に開発したもので、全国12万店以上で利用され、約500のブランド・サプライヤーと接続していた。
アプリを通じた商品発注や売上管理のほか、大手民間銀行テクコムバンク[TCB](Techcombank)によるキャッシュレス決済や短期融資などの金融サービスも利用できた。また、電子インボイスの発行に加え、個人事業主向け定額課税方式の廃止といった制度変更への対応を支援し、取引の透明性向上にも寄与していた。
B2B流通モデルの採算性と激しい競争
ベトナムの小売市場は2025年に約2690億USD(約43兆円)に達し、伝統的小売チャネルが売上の70%を占める。しかし、「ウィンマート(WinMart)」などの近代的小売チェーンが台頭する中、個人商店向けのB2B流通モデルは物流などの負担が大きく、採算確保が難しいのが現状だ。
実際、B2B向けECスタートアップの「キロ(Kilo)」は2023年末に、「テリオ(Telio)」は2024年末にそれぞれ事業を停止している。ワンショップを含むB2Bプラットフォームの相次ぐ撤退は、伝統的小売分野のデジタル化における収益化の難しさを浮き彫りにしている。


?1787694007)
印刷用ページ



