地場コングロマリットビングループ[VIC](Vingroup)傘下のビンファスト(VinFast)製電気自動車(EV)・電動バイクを利用したレンタカー・タクシー会社で、配車サービス「サインSM」を展開するグリーン・スマート・モビリティ(GSM)はこのほど、地場決済アプリ大手「モモ(MoMo)」との間で、電動モビリティサービスとデジタル決済の連携に関する戦略的提携を締結した。
協業は2026年から本格展開する予定で、◇プラットフォームの連携、◇金融ソリューションの拡充、◇デジタルエコシステム内での統合型サービス開発の3つを柱とする。中でも、配車サービス「サインSM」をアプリ「モモ」上に直接統合し、同一アプリ内で配車予約から決済まで完結できる仕組みを導入する計画だ。
これにより、利用者の操作負担を軽減するとともに、モモが持つ数千万規模のユーザー基盤を通じて、サインSMの顧客接点を拡大する。一方のモモとしては、既存の決済・金融・旅行関連サービスに加え、電動モビリティという生活密着型サービスを取り込む狙いがある。
決済面では、従来の電子ウォレット「モモ」に加え、後払い(Buy Now Pay Later=BNPL)決済サービスにも対応する。後払い方式を導入することで、都市部で移動頻度の高い利用者の利便性向上を図る。
さらに、航空券予約と空港送迎を組み合わせた移動体験など、複数区間をまたぐシームレスなサービス開発も検討する。両社は共同キャンペーンを通じ、低排出型移動手段の利用促進にも取り組む方針だ。
電動モビリティとデジタル決済が都市インフラの一部となりつつある中、今回の提携は、ベトナム企業が単体サービスにとどまらず、統合型エコシステムの構築へと踏み出す動きを示すものといえそうだ。


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