税関局の速報データによると、2026年3月前半(1日から15日まで)における各種石油製品の輸入量は前年同期比+41.4%増の53万3000t、輸入額は同+89.2%増の4億9200万USD(約790億円)に急増した。中東情勢の緊迫化に伴う世界的なエネルギー価格の高騰が背景にある。
3月前半と年初からの輸入状況
1月から3月15日までの累計では、各種石油製品の輸入量は前年同期比+42.6%増の約271万t、輸入額は同+43.2%増の19億4000万USD(約3100億円)となった。
種類別では、ディーゼル油(軽油)が10億4000万USD(約1660億円)で全体の約53.5%を占め最大だった。次いで、ガソリンが5億0500万USD(約810億円)、ジェット燃料が3億5600万USD(約570億円)、重油が4200万USD(約67億円)と続いた。
また、製油所向けの原油輸入量も維持されており、同期間の原油輸入量は前年同期比▲7%減の279万t、輸入額は同▲19.7%減の14億4000万USD(約2300億円)だった。これにより、年初2か月半の石油製品および原油の総輸入量は約550万t、輸入額は33億8000万USD(約5400億円)に達した。
中東情勢を受けた政府の対応
中東の紛争が半月以上続いており、世界的なエネルギー価格が高騰している。国内のガソリン小売価格も連続して上昇しており、供給不足の懸念も現実味を帯びている。現在の小売価格は、オクタン価95(RON95)のガソリンが1L当たり2万5570VND(約155円)、ディーゼル油が2万7020VND(約164円)で、紛争前の2月末時点と比べてそれぞれ27%、40%高い水準にある。
ファム・ミン・チン首相は17日に開かれた国家エネルギー安全保障作業部会との会合で、国内の製油所向けの原油供給は維持されており、今後のガソリン供給も確保されると評価した。また商工省に対し、原油の輸入源を確保するための対策を引き続き指導するとともに、国内市場へのガソリン供給を確保するため、製油所の安全で安定した操業の維持や加工能力の最適化、E10ガソリンの早期生産と使用の展開を関係機関に指示するよう求めた。
さらに同省は、ベトナム電力グループ(EVN)および国営ベトナム石炭鉱産グループ(ビナコミン=TKV)に対し、今後数か月間の発電用石炭、ガス、燃料のバランスを再評価し、輸入燃料の供給が途絶えた場合の対応策を主体的に講じるよう指導する。
なお、1~2月期の原油輸出量は前年同期比▲10%減の34万9000t、輸出額は同▲16.7%減の2億USD(約320億円)だった。主な輸出先はオーストラリアが17万9000t、東南アジアが11万1000tとなっている。
2025年通年の石油製品および原油の貿易状況をみると、輸出入総額は168億9200万USD(約2兆7000億円)だった。このうち、原油の輸入量は前年比+5.3%増の1415万2000t、石油製品の輸入量は同▲3.4%減の996万tとなっており、同分野の貿易赤字は▲122億2800万USD(約▲1兆9600億円)となった。


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