建設省傘下ベトナム航空局(CAAV)によると、米国の航空機エンジンメーカーであるプラット・アンド・ホイットニー(Pratt & Whitney)製エンジンの不足により、国内のエアバスA321neo型機17機が長期にわたる運航停止を余儀なくされている。世界的にも多数の航空機が地上待機状態にあり、各国の航空会社に大きな影響を与えている。
世界的な危機の背景
2026年初めの時点で、同エンジンを搭載するエアバスA320neoファミリー機800機超が世界各地で地上待機状態にある。問題の原因は、GTFエンジンの製造に使う粉末金属に不純物が混入するリスクだ。多数のエンジンが前倒しで検査対象となり、整備体制がひっ迫したことで、代替エンジンの深刻な不足を招いている。完全な解決は2027~2028年頃になるとされる。
欧米航空会社への打撃
ハンガリーの格安航空会社(LCC)であるウィズエアー(Wizz Air)では24機が運航を停止し、イタリアの国営航空会社であるITAエアウェイズ(ITA Airways)でも保有機数の約20%にあたる15~16機が稼働できず、約1億5000万EUR(約280億円)の損失が生じている。
米国では、LCCのジェットブルー航空(JetBlue Airways)では状況が改善する兆しが見られる一方、運航を停止したLCCのスピリット航空(Spirit Airlines)の機体から、リース会社がエンジンのみを取り外して他社に貸し出す異例の事態も起きた。プラット・アンド・ホイットニーは、米国の整備拠点の拡張に1億USD(約162億円)超を投じると発表した。
ベトナムの航空旅客市場は成長を維持
機材不足の課題がある一方、ベトナムの航空需要は堅調だ。CAAVによると、2026年1~6月の国際線旅客数は前年同期比+15.4%増の2620万人に上り、このうちベトナム国内の航空会社による輸送が36.6%を占めた。国際貨物輸送量も同+21.3%増の70万6700tとなった。
運航規模の拡大に伴う負担が増す中、CAAVは業界各社に対し、国際民間航空機関(ICAO)の基準を遵守し、安全確保を最優先とするよう求めている。


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