
30日のベトナム株式市場は、中東の地政学的緊張や原油価格の高騰を背景とした世界的な株安の流れを受け、売りが優勢の展開となった。ホーチミン証券取引所(HSX)のVNインデックスは前営業日比▲10.26ポイント(▲0.61%)の1662.54ポイントと反落した。ハノイ証券取引所(HNX)のHNXインデックスも同▲1.77ポイント(▲0.70%)の250.59ポイントで引けた。HSXの売買代金は大引けにかけて投資家の慎重姿勢が強まったことを背景に前日比で減少し、21兆4906億VND(約1300億円)となった一方、HNXの売買代金は1兆4803億VND(約90億円)となった。
市場動向の背景
朝方の取引では、中東紛争の激化懸念から投資家心理が急速に悪化し、広範な銘柄で売りが先行した。VNインデックスは取引開始直後に一時▲30ポイントを超える大幅な下落を記録した。しかし、午後に入ると安値拾いの買いが流入し、指数は一時前日終値付近まで下げ幅を縮小させた。大引けにかけては買いの勢いが続かず、再び大型株を中心に売り圧力が強まり、マイナス圏での着地を余儀なくされた。
セクターおよび大型株の動向
セクター別では、金融や不動産セクターの下落が目立った。銀行株ではベトコムバンク[VCB]が▲1.36%、ヴィエティンバンク[CTG]が▲2.16%と軟調に推移し、証券株も総じて調整した。さらに、不動産大手のビングループ[VIC]が▲2.34%、情報通信のFPT情報通信[FPT]が▲2.76%と下落し、指数を大きく押し下げる要因となった。
一方、原油価格の上昇を追い風に石油ガス関連株が物色され、ビンソン製油石化[BSR]が+5.62%と急伸した。また、ゲレックス電気設備[GEE]が+6.95%、ベトナムゴム工業グループ[GVR]が+3.12%、ホアファットグループ[HPG]が+1.51%と上昇し、相場の下支え役を果たした。
海外投資家の動向
海外投資家はHSXで売り越し基調を継続した。主にFPT情報通信[FPT]やベトコムバンク[VCB]などが売り手口の対象となった。一方で、HNXでは買い越しを記録し、取引所間で異なる動向が見られた。
今後の見通し
証券会社の専門家は、原油価格の高止まりや為替レートへの圧力など、マクロ経済の不確実性が引き続き市場の重しになると指摘している。短期的な調整リスクが残るため、投資家に対しては現金比率を高めに維持し、過度なレバレッジを避けるとともに、業績の裏付けがある銘柄に的を絞った慎重な投資戦略を推奨している。


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