
9日のベトナム株式市場は、ホーチミン証券取引所(HSX)のVNインデックスが前日比▲3.88ポイント(▲0.22%)安の1735.09ポイントと3営業日連続で続落した一方、ハノイ証券取引所(HNX)のHNXインデックスは同+5.38ポイント(+2.10%)高の261.60ポイントと反発した。
全般に方向感を欠く展開となったが、個別材料株や銀行株に活発な買いが入った。HSXの売買代金は同+73.4%増の27兆5428億VND(約1680億円)と急増した。HNXの売買代金は同+17.4%増の1兆0388億VND(約63億円)となった。
HSXの売買代金急増、銀行株や材料株が買われる
HSXでは相対取引が売買代金全体の約半数を占め、中でもマサン消費財[MCH]の9兆6410億VND(約590億円)に上る大口取引が売買代金全体を押し上げた。
主力株では、権利落ちを迎えたHDバンク[HDB]が一時ストップ高まで買われた後に+3.94%高となり、売買高も3470万株を超える活発な取引となった。また、ヴィエティンバンク[CTG]やテクコムバンク[TCB]、VPバンク[VPB]などの銀行株も+1%超上昇した。サイゴンハノイ銀行[SHB]は売買高が1億2830万株超と突出したものの▲0.50%安となった。
中小型株では、第三者機関による鑑定で、取り扱うダイヤモンドが天然石であることを確認したと発表したフーニュアン・ジュエリー[PNJ]やノバランド不動産投資グループ[NVL]がストップ高となった。
反面、FPT情報通信[FPT]が▲3.02%安、ベトナムゴム工業グループ[GVR]やペトロベトナム製油石化[BSR]も下落した。コシ[KOS]はストップ安となった。
HNXではタイホールディングス[THD]が+10.0%のストップ高となり指数の上昇を大きくけん引した。
海外投資家は大口取引の影響で大幅売り越し
需給面では、海外投資家が全市場で9兆7340億VND(約590億円)の売り越しとなった。HSXでは9兆7360億VND(約594億円)を売り越し、その大半はMCHの大口相対取引によるものだった。売り越し上位はMCHのほか、HDBの2270億VND(約13億8000万円)やFPTの1220億VND(約7億4000万円)となった。一方、ビンホームズ[VHM]が1620億VND(約9億9000万円)、SHBが1230億VND(約7億5000万円)買い越された。
HNXでは海外投資家が90億VND(約5500万円)を売り越し、ペトロベトナム・テクニカル・サービス[PVS]などが売られた一方、サイゴンハノイ証券[SHS]が100億VND(約6100万円)超買い越された。
低バリュエーションが下値を支えるも慎重姿勢が続く
相場の背景として、相場の調整を受け、VNインデックスの過去12か月の実績株価収益率(PER)は12.05倍(ビングループ[VIC]を除くと10.07倍)まで低下しており、企業業績の拡大見通しを踏まえると、株価の割安感が強まっている。7~9月の決算発表を控えて業績回復への期待が高まるものの、市場全体への資金流入は限定的となっている。
証券各社は、短期的には1716~1730ポイント付近を下値支持帯として、1720~1800ポイントのレンジで推移すると予想しており、1800ポイントを回復できるかが本格的な反発に向けた鍵になるとみている。
足元では世界的な金利高止まりやドル高による海外資金流出圧力が続いており、年初からの累計売り越し額は過去最高ペースで推移している。社債の償還リスクへの警戒感が残る一方、取引時間の延長に向けた検討や中央清算機関(CCP)の導入などの制度改革、FTSEによる新興国市場への格上げへの期待が、中長期的な相場の下支え要因として意識されている。


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