8月下旬に開催されたブルーチップ銘柄4社(サコム通信ケーブル[銘柄コード:SAM] 、リー冷蔵電気[銘柄コード:REE] 、キンド食品[銘柄コード:KDC]、総合フォワーディング/ジェマデプト[銘柄コード:GMD])と株主との懇談会で、株主から出された30の質問全てが各企業の代表によって回答された。以下はその抜粋である。
質問)それぞれの会社の現在及び将来の株価をどのように考えていますか?意見を聞かせてください。
ド・バン・ミン氏(GMD社長)16万ドン/株に下がったらすぐ買い、18万ドン/株以上になったら売る、これが現在の株価に対する私の個人的な意見です。また、2008年度のGMD社の利益が30%増加するとしたら、私が申し上げた株価に更に30%加算すれば、2008年の適切な株価が分かるでしょう。
グエン・ティ・マイ・タイン女史(REE社長)REE社の2007年上半期の利益は2,500億ドン、下半期の予測利益は3,700億ドンであり、REE社の株価収益率(PER)はほぼ24であるため、現在のREE社の株価は高くないと考えています。
ド・バン・チャック氏(SAM会長)2010年までにSAM社は資本金を3兆ドン(約211億円)に増資するための新株発行を行います。2007年の増資後資本金が5,450億ドン、余剰資金がほぼ1兆7,000億ドンとなっています。SAM社の株価を14万8,000ドン/株であると仮定しますと、来年末には株式割当1対3によって新株発行を行うと、SAM社の株価は4万ドン/株弱に調整されます。高い成長率を誇っている会社の株価が本当に4万ドン台のままだと思いますか?
質問)軟調相場で株価を増加させるために、外国人保有枠を引き上げてほしいと思っていますか、それとも外国人が更に株式購入できるように株式発行を行いますか?
タイン女史(REE社長)国内投資家は自分の保有株式の株価が上がってほしいと考えているため、外国人保有枠を引き上げてほしいと考えているようですが、それは短期的な目先のメリットに過ぎないと思います。
ミン氏(GMD社長)次の新株発行では海外の戦略的パートナーへの株式を割当しない予定ですので、買いたいと思っている海外投資家は市場で購入しなければなリません。そうしたことがGMD社の株価を上昇させると考えています。
質問)4社は不動産分野の事業経験がほとんどないのに、戦略的営業分野として数多くの不動産プロジェクトを展開することが懸念されていますが。
チャック氏(SAM社長)主要事業と異なる経営分野を拡大して成功した例は、世界にたくさんあります。私の家族の経験ですが、遊休資本があれば不動産に投資すべきです。早く手に入れてしまわなければ、いい土地は買われてしまうからです。SAM社は本社オフィスを建設するためにホーチミン市Dien Bien Phu通りにある2,500平米の土地を3,350万ドン/平米で買いました。
チャン・キム・ハオ氏(KDC副社長)不動産に対する需要は増えています。大切なのはロケーションの選択であり、市場が必要とする物件に投資するということです。建設や運用などの専門事業は専門会社を雇って進めていく方針です。キンドグループは各プロジェクトに資本を投入だけで、後はプロジェクト管理を主な事業とするキンド不動産社(Cong ty bat dong san Kinh Do)に任せます。
質問)SAM社についての質問ですが、3Gサービスの展開とカンボジアとの合弁会社について話してください。
チャック氏(SAM社長)カンボジアとの合弁会社の設立手続きは既に完了しました。SAM社の出資率は30%で、ベトナム人の個人投資家の出資率は19%です。3Gサービス(携帯電話テレビなどの通信上級サービス)販売許可は既に得ています。プロジェクトを展開するために、SAM社では国際光ファイバー通信ラインを購入し、現在ベトナムからカンボジアまでのViettelの通信ライン利用について協議を行っています。
質問)GMD社にお伺いしますが、海運市場開放による競争を心配していますか?
ミン氏(GMD社長)2016年になれば海運サービスは100%開放されますが、国内運送市場は開放しません。現在、ベトナムでは世界の海運社が40社以上活動しています。外国企業と競争することにより、経験を積むことができるし勉強もできます。そういった競争にはもう慣れていますから、全く怖くありません。
質問)REE社は銀行と証券会社を作る予定なのですか?
タイン女史(REE社長)REE社は証券会社設立に90%出資し、残りの10%は証券会社幹部が出資します。設立申請書類は提出されており、後は認可を待つだけです。銀行の方は資本金が1兆2,000億ドンである銀行2行にそれぞれ3%、10%ずつ出資します。
質問)ノースキンドとキンド食品の合併について話してください。
ハオ氏(KDC副社長)上場企業2社の合併はベトナムには前例がないので、E&Y社及びバオベト証券(BVS)にコンサルティングを要求しています。新しい法人が生まれるのではなく、ノースキンドはキンド食品の子会社である一構成員有限会社になります。
質問)続落する株価を”救う”ことを目的として懇談会を開催しているのですか?
チャック氏(SAM社長)企業の情報開示がよりよく展開していくよう、上場企業にはこのように投資家と対談する責任があると思い、開催しています。
4社の努力と誠意は投資家に伝わり、高く評価された。しかし、情報発表部分が長かった、資料が配られなかったなど、反省するところもあった。投資家からは、対談部分をメインとした、2007年度1月~7月までの業績と脅威、そして2007年度の業績予測について集中して質疑を行いたいと望む声が多かった。