ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)データの分析を手掛けるユーネットメディア(YouNet Media)の2025年4~6月のデータ分析によると、ベトナムの主要銀行がゲームショーや音楽イベントのスポンサーシップを拡大し、エンターテインメント分野が激戦区となっている。
SNSでは、銀行13行に関して約70万人のユーザーが約190万件のコメントを投稿したが、虚偽や重複の投稿を除外すると、有効なコメント数は74万3000件、実際のユーザー数は46万8000人となった。
SNSのコメント全体の60%以上が実際の関心を反映していない表面的な「ノイズ」に過ぎないことが分かった。この結果から、単に露出するだけでなく、質の高い関心を得ることの重要性が浮き彫りとなった。
「質の高いコメント」のシェア80%を占めたトップ5行は、◇1位:VPバンク[VPB](VPBank)(38.4%)、◇2位:テクコムバンク[TCB](Techcombank)(16.1%)、◇3位:TPバンク[TPB](TPBank)(11.8%)で、以下、◇ベトナム国際銀行[VIB](Vietnam International Commercial Bank)、◇ヴィエティンバンク[CTG](VietinBank)が続いた。
これらは、リアリティ音楽番組「Anh Trai Vuot Ngan Chong Gai(「何千ものいばらを乗り越える兄弟」の意)」や、大型音楽フェス「VPバンクプレゼンツ・Kスター・スパーク・イン・ベトナム-メガコンサート2025(VPBANK Presents K-STAR SPARK IN VIETNAM - MEGA CONCERT 2025)」などの有力コンテンツと密接に連動している。
VPBはG-DRAGON(ジードラゴン)やCLといった海外スターを起用した音楽イベントで話題を独占した。一方、TCBは「Anh Trai Vuot Ngan Chong Gai」のコンサートとマルチチャネル配信で安定的な熱量を維持した。
なお、プラットフォーム別では、フェイスブック(Facebook)やティックトック(TikTok)がコメント数で優位に立つ一方、ユーチューブ(YouTube)はコメント数こそ少ないが、その約90%が実際に関心を持つユーザーであり、フェイスブックの33%を大きく上回った。ユーチューブは深みのあるコンテンツ発信に最適な場でありながら、十分に活用されていないことを示しているとも言える。