中東情勢の緊迫化に伴う燃料不足を受け、全国の20以上の空港を管理・運営するベトナム空港社[ACV](Airports Corporation Of Vietnam)は、運航コスト増の補填として国内線の航空券価格が平均+15〜20%上昇したと明らかにした。
燃料価格の高騰と供給不足
ジェットA1燃料の不足は、航空業界の運航コストに大きな課題をもたらしている。ピーク時のサーチャージは1バレルあたり39.6USD(約6200円)に達し、20倍に跳ね上がった。国内の供給量は需要の約20%にとどまり、中国やタイ、韓国からの輸入に依存しているが、各国とも輸出制限の傾向にある。
観光不動産開発を中核とする地場系コングロマリット(複合企業)サングループ(Sun Group)傘下のサン・フーコック・エアウェイズ(Sun PhuQuoc Airways=SPA)のダオ・ドゥック・ブー副社長は、燃料費が運航コストの30〜40%を占めるため、原油高や供給不安が価格維持を困難にしていると指摘した。
地場航空会社のベトラベル・エアラインズ(Vietravel Airlines)も、運航コストが以前より+20〜30%増加すると試算している。
航空各社の対応と需要への影響
海外の航空各社は、4~6月と7~9月に路線網の再編や20〜200USD(約3100〜3万1000円)の燃油サーチャージを適用する見通しだ。ベトナム国内の航空各社も同様に、ハノイ市、南中部地方ダナン市、ホーチミン市を結ぶ主要路線や国際線に集中し、地方路線の減便や一時運休を進めている。搭乗率の最適化や深夜便の制限などにより、国内21空港での離着陸回数は減少している。
ACVは、エネルギー危機に加え、為替変動や予測困難な経済情勢が運航効率に悪影響を与えていると分析している。さらに、排出削減や持続可能な航空燃料(SAF)の導入といった要請も、航空各社に多額の投資負担と運航モデルの転換を迫る要因となっている。


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