ベトナム航空協会(VABA)によると、新型コロナ禍の影響により国際線の運航が再開されていないため、国内の航空会社は2021年に総額▲15兆VND(約▲710億円)の赤字となる見込みだが、前年の▲18兆VND(約▲850億円)の赤字からは縮小する見通しだ。
2021年1~2月期の外国人旅客輸送量は2019年同期に比べ▲98.8%減の6万6600人だった。これにより、テト(旧正月)期間の航空各社の売上高は前年同期比▲70~80%の大幅な減収となった。
これを背景として、VABAは引き続き計画投資省に対して、航空会社向けの各種支援策を提案している。支援策には、優遇融資やジェット燃料に対する環境保護税の引き下げ、法人税や付加価値税(VAT)、個人所得税などの納税期限を2021年末まで延長することなどが盛り込まれている。
政府は今年初めに、ベトナム航空[HVN](Vietnam Airlines)の救済措置に関する国会決議を実施する決議第194号/NQ-CPを公布した。決議によると、ベトナム国家銀行(中央銀行)は商業銀行を介して優遇金利でHVNに最大4兆VND(約190億円)を貸し出す。中央銀行が商業銀行に適用する貸付基準利率(リファイナンスレート)はゼロ%となっている。
なお、国際航空運送協会(IATA)によると、2021年における世界の航空各社の旅客輸送量は2019年比▲67%減少し、赤字総額は▲950億USD(約▲10兆4000億円)となる見込み。ただし、2022年までに航空各社は赤字状態から脱却できると予想されている。