英国の格付け会社フィッチレーティングスは、ベトナムの2020年における国内総生産(GDP)成長率が+2.8%に達し、新型コロナ禍の影響でもプラス成長を維持できるアジア太平洋地域の4か国の一つになると予想している。
フィッチは、ベトナムが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の封じ込めに成功したことを評価するとともに、ベトナム政府による経済振興策についても高い評価を与えた。コロナ禍にも関わらず、ベトナムの4~6月のGDP成長率は+0.36%に達した。
ベトナムは、新型コロナの影響を受けた国民や企業への支援に向けた支出増により、対GDP政府債務残高比率が2019年の37%から2020年には42%まで膨らむ見通しだが、信用格付けでベトナムと並ぶ他の国々の平均水準である59%を下回ると見込み。
なお、フィッチは懸念されることとして、利下げや返済の繰り延べなどベトナム国家銀行(中央銀行)の金融緩和政策により、銀行業界の利益減少や資産の質の悪化を指摘している。