アジア開発銀行(ADB)は15日、「アジア経済見通し(Asian Development Outlook=ADO)」を発表し、ベトナムの国内総生産(GDP)成長率見通しを下方修正した。
ADBは4月と6月にもベトナムの2020年通年のGDP成長率予想を下方修正しており、今回で3回目の下方修正となる。
ADBは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による世界的な景気後退に加え、国内での新型コロナ第2波による需要低迷を理由に、ベトナムの2020年通年のGDP成長率予想を前回の+4.1%から+1.8%へと大幅に引き下げた。
一方で、ADBはベトナムが新型コロナ第2波を効果的に抑え込んでいることや、マクロ経済安定化、公共事業投資の拡大、ビジネス環境の改善などに注力しているベトナム政府の対応を高く評価。また、複数の自由貿易協定に参加していることが今後のベトナム経済振興にプラスに働くとの見解を示し、中長期的に見て引き続きベトナム経済を楽観視している。
ADBはこれらを踏まえ、新型コロナ収束に伴い2021年のベトナムのGDP成長率は+6.3%に改善すると予想した。