転換社債の発行によって増資することは銀行のみではなく、多くの企業の流行になってきている。専門的な立場から、ホーチミン証券取引所の副社長であるレ・ハイ・チャー氏が、この新しい資本調達方法について以下のように話してくれた。
質問)これまでそして今後多くの企業では株式の代わりに転換社債を発行して資本を調達しようとする動きがありますが、専門家としてこの動向についてどう思いますか?
チャー氏)まず、転換社債は債券と株式の両方の属性をもっているので、(資金調達手段としては)良性ツールだと言われています。定義をすれば、転換社債とは発行時点で確定した転換率や期間に従って、自社の株式に転換することが出来る社債ということになります。このツールを通して、企業は現在低金利で資本を借り入れることが出来、また将来にはその負債を株主資本に転換することが出来ることになります。この社債は株式に転換できる属性があり、投資家を惹きつけるために金利が低く設定されることになります。投資家は将来に株式に転換する権利を得るために、現在の低い名目金利を受け入れるというわけです。
ここのところ、投資家も新株発行するという株式価値の希薄化について知識を得るようになりました。ですから現在の市場条件としては、転換社債を通して資金調達を行い、新株は将来に発行するということは賢明な処置だと思います。
質問)希薄化という要素に言及されましたが、転換社債を発行することは株価の希薄化にどのような影響がありますか?また転換社債に投資する際、どんなことを注意することが必要でしょうか?
チャー氏)投資家は転換価格と転換期間という二つの要素を考慮する必要があります。まず価格については、転換価格を現在の株価から予想される将来の株価(転換時点の株価)と比較した上で投資の決定すべきだということになります。転換期間については、これはリスクが潜在している要素なので、投資家は転換期限までに流通している株式に対して発生する可能性がある事象を前もって留意しておく必要があります。次の例で考えて見ましょう。
現在、ABCという会社には発行株式数が1,000万株があります。時価は3万ドン/株です。仮にABC社は転換社債100万債券(額面価格:10万ドン/債券、金利2%/年)を既存株主へ10対1の割合(10株保有していれば1債券購入できる)で発行します。この転換社債は発行日から1年後にABC株(額面価格:1万ドン/株)に1債券対10株という割合で転換することができます。もし、ABC社が経営が上手ければ、1年後の株価は現在の株価(3万ドン)をかなり上回ることが出来ると期待されます。そうなれば、転換社債は価値を持っている、ということになります。この価値(転換社債の価格)は投資家がABCの株価の展望を評価した上で決定されることになります。
(2)に続く


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